「あまりにも異常」「古い体質変えて」のんマネジメント社長の提言【全文】

    「テレビ局の若い編成マンから本当にたくさんの素晴らしい企画、脚本などオファーを頂きました。しかし、お話が進むうちに、上司や担当役員によって突然潰されてしまうことが繰り返されてきました」

    女優のん(能年玲奈)さんのマネージメントに携わる、株式会社スピーディの福田淳代表は7月18日、「エンタメ産業の未来」と題する文章をホームページと個人のFacebookで公開した。

    この声明は、SMAPの元メンバーのテレビ出演をめぐり、公正取引委員会がジャニーズ事務所に注意をしたという報道を受けて投稿したものだ。

    文章中で福田さんは、のんさんに対してテレビドラマの出演オファーが多数ありながらも、企画が頓挫し続け、3年前から1度も出演が実現していないと告白。

    「あまりにも異常ではないでしょうか?」「このような古い体質を変えていかなければなりません」と疑問を投げかけている。

    福田さんによる提言の全文は下記の通り。


    元SMAPタレントの移籍に関して公取の注意喚起がニュースになっています。

    ネットでの検索によれば、“のん”こと能年玲奈(本名)も話題になっているようですね。

    私は、2016年7月 約3年前から彼女の類いまれなる才能を支えたいと決め、“のん”のマネージメントに関わらせてもらってます。

    この間、テレビ局の若い編成マンから本当にたくさんの素晴らしい企画、脚本などオファーを頂きました。しかし、お話が進むうちに、上司や担当役員によって突然潰されてしまうことが繰り返されてきました。

    その状態が3年も続いております。

    “のん”は、メジャー週刊誌などが実施する人気調査で、いまもトップ1、2を争う国民的人気女優です。ですから、先進的な企業様やアジアからも、CMの依頼が多くあり広告には出ることができています。

    でも彼女は女優です。現場からの熱烈なオファーもある、のんが3年間テレビ局で1つのドラマにも出演が叶わないことは、あまりにも異常ではないでしょうか?

    エンターテイメント産業も、ひとつの立派な産業であるならば、このような古い体質を変えていかなければなりません。

    素晴らしいクリエーティブを作る人々が、忖度なく、正々堂々と切磋琢磨する中で、世の中の人々を楽しませ、感動させられるそんな産業になっていくことを切に祈ります。

    福田淳

    〈福田淳〉ブランドコンサルタント、スピーディ・グループ代表。1965年、大阪府生まれ。日本大学芸術学部卒業。衛星放送「アニマックス」「AXN」などの立ち上げを経て、2007年にソニー・デジタルエンタテインメントを創業し、初代社長に就任。2017年に株式会社スピーディ設立。文化庁、経済産業省、総務省などの委員を歴任。金沢工業大学大学院や横浜美術大学の客員教授も務める。著書に『SNSで儲けようと思ってないですよね?』(小学館)など。