彼女は命がけで、地中海を48時間漂流した

    「彼女の目がすべてを物語っている」

    (※亡くなられた方の写真があります。閲覧にはご注意ください。)

    この女性は7月17日、リビア沖で難破した船から救助された。船には難民が乗っていた。

    女性を救助したスペインの非政府組織(NGO)「プロアクティヴァ・オープン・アームズ」(以下、オープンアームズ)がBuzzFeed Newsに話したところによると、女性は48時間、海に漂っていたという。

    発見された時、女性のそばには2人の遺体があった。1人は5歳の男児で、もう1人は女性。

    「リビアの沿岸警備隊が、この女性と男児、そしてもう1人の女性を置き去りにした。当組織の医師によると、2人は我々が到着する少し前に亡くなったらしい」と、オープンアームズの広報担当ラウラ・ラヌサ氏は述べた。

    女性の写真はオンライン上で瞬く間に拡散され、多くの人が、この女性が経験した過酷な状況にショックを受けたと書いた。

    地中海で活動を行うNGOとイタリア当局との間ではここのところ緊張が高まっており、今回また新たに衝突が起こった形だ。

    イタリア当局は6月、子供を含む男女600人以上の難民の受け入れを拒否。スペイン側が受け入れを申し出るまで、難民が立ち往生したことがあった。

    新たに就任したイタリアの内相マッテオ・サルヴィーニ氏は、「これ以上1人たりとも船では到着させない」と断言している。2014年以降、イタリアには64万人以上の難民が入国しており、難民や移民に反対する右派の台頭を後押ししている。サルヴィーニ内相の辛辣な公約は、国際NGO組織や、スペインやフランスといった国からも厳しく非難されている。

    ヨーロッパへ渡ろうとする人の数は全体的に減少したものの、死亡者数の割合は増えている。海を渡るという危険な行為が、NGO救助艇の不足によりさらに危険になっているためだ。

    この記事は英語から翻訳されました。
    翻訳:松丸さとみ / 編集:BuzzFeed Japan