ハイブランドvs少数民族 頻発するデザインのパクリ疑惑

    イタリアの高級ブランド、マックスマーラがラオスの少数民族の伝統衣装を無断で真似た洋服を販売しているとして、地元団体がFacebookに比較画像を投稿し抗議した。

    イタリアのファッションブランド、マックスマーラが無許可かつ無料でラオスのオマ族の伝統衣装のデザインを真似ている、とラオスの団体、伝統芸能民俗センター(Traditional Arts and Ethnology Centre、以下TAEC)が主張している。

    オマ族は、ラオス北部、ベトナム北西部、中国南部を拠点に農業を営む少数民族のひとつで、現在ラオスで暮らしているのは2000人を下回るとみられている。彼らを象徴するのは、藍染の生地に赤で刺繍を施した美しい伝統衣装だ。

    ラオス・ルアンパバーンに事務所を設置するTAECは、この伝統衣装のデザインはオマ族独自のものだとしている。

    TAECは博物館の運営に加え、少数民族や地域の職人による作品の販売も支援している。

    「近年、オマ族の女性は手芸品を販売して収入を得ています」とTAECの販売マーケティング部長のクリスティ・ベストはBuzzFeed Newsに語った。

    「経済的な機会が少ない遠隔地のコミュニティにとって、こうした収入は家族の健康的な生活や教育のためにも不可欠です」

    有名なブランドが似たようなデザインの商品を販売してしまえば、彼らの商品のオリジナリティが損なわれかねない。

    左がマックスマーラ、右がオマ族の伝統衣装。


    刺繍のデザインが確かに似ている。


    TAECはFacebookに比較画像を載せて抗議した。

    Facebook: taeclaos

    「これらのデザインはオマ族の伝統衣装から『影響を受けた』のでも『着想を得た』のでもなく、明らかにコピーしています。色、構図、モチーフはまさに複製されていて、単に怠惰で独創性のないデザインワークであるだけでなく、直接的な盗作とも言えます」

    異文化から新たな着想を得ること自体は、アートの世界で広く行われてきたことだ。

    一方、高級ブランドがローカルな伝統衣装のデザインを引用することについては、「文化の盗作」という批判もある。

    TAECはマックスマーラに対し、売り上げの一部を「少数民族の知的財産権を擁護する団体」に寄付し、二度とデザインを真似ないよう求めている。しかし、マックスマーラから連絡はないという。

    BuzzFeed Newsもマックスマーラにコメントを求めた、返答はないままだ。


    この記事は英語から翻訳・編集しました。