悲劇から1年 言論の自由の裏でヘイトスピーチははびこり続ける

    白人至上主義へ抗議する人、200人以上がこの日集まった。

    アメリカでは「言論の自由」が非常に重んじられており、ヘイトスピーチへの取り締まりも厳格には行われていないのが現状だ。

    そんな中、白人至上主義者たちへ抗議する人々の集団へ自動車が突っ込み、1人が死亡、複数人が負傷するという悲劇が昨年起きた。

    ちょうど1年が経過する8月11日、白人至上主義を唱える人々の集会「ユナイト・ザ・ライト」がワシントン D.Cで開催されることを受けて、それらに対抗する人々が再びバージニア州のシャーロッツビルに集結した。

    反対派の集会の会場のひとつ、バージニア大学のキャンパスには200人を超える人々が集まっていた。

    州警察は700人を超える警察官を集会の現場へ派遣。なかには暴徒を鎮圧することのできる装備で警備にあたる警察官の姿も確認することができた。反対派の過激な抗議へは武力行使も辞さない構えを見せていたと、CBSは報じた

    反対派は「なぜあなたたちは武装をしているの?ここに暴動は存在しないのに」と声を上げ、「去年、奴らはたいまつを片手に現れた。今年は胸にバッジをつけてやってきた」と書かれた旗を掲げた。非常事態宣言が市内で発令され、道路の多くが封鎖された。

    ワシントンD.C のホワイトハウス近くでは白人至上主義者たちの集会「ユナイト・ザ・ライト」が開催された。反対派との衝突が予想され、厳重な警備体制が敷かれた。

    Here’s the Unite The Right crew arriving in DC w a police escort

    「ユナイト・ザ・ライト」へ参加する白人至上主義者たち。警察官たちの護衛を受けながら、国旗を掲げて登場。

    そしてそんな白人至上主義者たちへ抗議する反対派の人々もデモを開始。

    Big counterprotest contingent marching along Lafayette Park: “Whose streets? Our streets!”

    「誰の道だ?」「私たちの道だ」と声を上げ、行進を続けた。

    今回、「ユナイト・ザ・ライト」の参加者は当初の予想を下回り、わずか20数人に止まった。非常に小規模となった「ユナイト・ザ・ライト」の参加者たちは行く先々で反対派の集団から抗議を受け、会は早々に解散した。

    「ユナイト・ザ・ライト」開催の直前にはTwitterが右派系グループ「プラウドボーイズ」の複数アカウントを凍結したこともBuzzFeed Newsの調べで判明している。Twitter担当者は「暴力的な過激派組織を禁止するというポリシー違反により、これらのアカウントが停止された」と語った。

    この記事は英語から翻訳されました。翻訳:千葉雄登