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立教大学の国際カジノシンポ 豊島区が後援を取り消し「中立的な内容ではない」

立教大学がカジノ経営者らを招いて共催するカジノのシンポジウムの後援を、豊島区が「事前に知らされていた内容と違うし、中立的な内容ではない」として、取り消したことがわかりました。

立教大学がマカオ大学と共催して開く予定のカジノを巡る国際シンポジウムに、学内外から批判が上がっている問題

このシンポジウムの後援をしていた豊島区が、「内容が中立的でないし、申請書類と内容が変わっている」として、6月26日付けで後援を取り消していたことがわかった。

立教大学にも同日付けで取り消しを通知した。

豊島区はBuzzFeed Japan Medicalの取材を受けたことで調査を始め、後援申請時の書類にあったものから内容が変わっていることに気づいたという。

「課題も含めて学術的に考えるシンポと聞いていた」

豊島区が後援をやめたのは、マカオ大学が主催し、共催する立教大学の池袋キャンパスで7月6日に開く予定の国際シンポジウム「ビジネスモデルとしての日本型IR」。

後援を承認した同区文化観光課の宮下あゆみ課長によると、立教大学から提出された後援申請の書類には登壇者の名前がなく、IR(カジノを含む統合型リゾート)の課題も含めて、学術的に議論する内容だという旨が記載されていたという。

「IR整備法に係る政令も閣議決定されたことですし、課題を話し合うのにいいチャンスだと思って承認しました」と宮下課長は説明する。

ところが、取材で見解を問われて、シンポジウムの内容を確認したところ、カジノ経営者3人と観光庁の審議官が登壇することがわかり、「後援申請時に知らされていた内容と違うし、明らかに中立的な内容ではない」と判断。後援申請を取り消すことを26日に決め、立教大学に通知した。

宮下課長は、「公的機関ですので、あくまでも中立的な立場を守らなければならず、後援するのはふさわしくないと判断しました。内容がこちらの知り得ないものに変えられていたことについて、大学側には困るということも伝えました」と話す。

立教大学は未だ取材に答えず

このシンポジウムは、4月25日に開かれた学部長会で承認された。

この時の提案書では、登壇するのはカジノ経営者らではなく、マカオ大学の研究者3人とカジノコンサルタントという内容となっていた。

承認後にシンポの内容が変わっていることについて、学内で手続きを疑問視する声が出ている。

また、「ギャンブル依存症問題などへの配慮がなく、バランスに欠けている」などとして、批判の声が上がっていた。

BuzzFeed Japan Medicalは立教大学に、内容を決めた経緯や批判の声への見解について、21日にメールで質問状を送っているが、未だ回答はない。

回答があり次第、報道する。