香港国際空港で8月12日、多くの人々が抗議活動のために集まった。人々の要求は当初、犯罪容疑者の中国本土への引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」の改正反対だったが、今では香港政庁や警察への批判など、広範囲な民主化運動へと転化しつつある。
多くは黒い服に身を包み、眼帯をつけ、ヘルメットをかぶり、ガスマスクを装着していた。
香港空港は世界有数のハブ空港だが、12日に当空港を発着する全ての便の運行を取り消した。
デモ参加者らは、右目に眼帯をつけていた。それには理由がある。
11日に起きたデモ隊と警官隊との衝突で、デモ隊の女性の目に警官隊が放ったビーンバッグ弾が当たり負傷したと主張しているのだ。
ビーンバッグ弾は布に小さな鉛粒を包んだ弾丸のことだ。ショットガンから撃たれる。殺すことを目的とはしていないものの、使い方によっては骨折などの重傷に至らしめることもある。
女性が負傷したと報告されている衝突は地下鉄の駅構内で起きた。警官隊は催涙ガス弾を撃ちデモ隊に迫った。
民主化活動家の黄之鋒さんを含む多くの人々が、目を負傷した女性の写真をツイートした。
サウスチャイナ・モーニング・ポストは、女性が失明する可能性を指摘した。
しかし12日に行われた記者会見で、香港警察は「実証がない」として女性の怪我に対する警官隊の責任を否認した。
空港に集まったデモ隊の中には、「目には目を」と書かれた看板を掲げる参加者もいた。
香港空港は、警官隊が催涙ガスを使用しない数少ない場所の1つだ。
12日朝、全便欠航が発表された。空港利用客は立ち退きを強いられ、従業員は帰宅を命じられた。
ロイター通信によると、12日の深夜過ぎまでデモは続き、翌朝もデモ隊の一部は残っていたが、13日に空港は業務を再開した。
この2ヶ月以上にわたり香港各地で行われている抗議活動は、より広範な民主化運動へと変化しつつあり、収束の糸口は見えない。
この記事は英語から翻訳・編集しました。 翻訳:髙橋李佳子