天皇陛下の在位30年式典、熱唱の「三浦大知」がトレンド入り。歌詞に込められた意味

    Twitterでは「天皇陛下御在位三十年記念式典」とともに、「三浦大知」「大知くん」という言葉がトレンド入りした。作詞は天皇陛下、作曲は皇后陛下。その曲に込められた思い、とは。

    2月24日に国立劇場で開かれた「天皇陛下御在位30年記念式典」で、歌手の三浦大知さんが天皇陛下が作詞、皇后陛下が作曲した曲を熱唱した。

    曲は「歌声の響」。沖縄に伝わる「八・八・八・六」の定型詩である琉歌で、1975年に初めて両陛下が沖縄を訪問した際、読まれたものだ。

    両陛下はこの時、国のハンセン病療養所「沖縄愛楽園」を訪問。入所者と交流した帰り際、沖縄民謡の船出唄「だんじよかれよし」(「誠にめでたい」の意味)の合唱が起きたという。

    その歌声と笑顔が「懐かしく心に残っている」として読まれたのが、この琉歌だ。

    《だんじよかれよしの歌声の響 見送る笑顔目にど残る》

    歌はその後、愛楽園に贈られた。朝日新聞(2015年9月29日)によると、入所者から「特別な曲があれば」との声が上がり、皇后陛下が友人である山本直純さんの協力を得て作曲した。

    のちに天皇陛下は、「ユウナ(オオハマボウ)の咲く島が今も懐かしく心に残っている」との想いを込めて、2番の歌詞を新たに著された。

    《だんじよかれよしの歌や湧上がたん ゆうな咲きゆる島肝に残て》

    三浦大知さんが熱唱

    両陛下は、先の大戦で大きな被害を受けた沖縄の人々の苦難に心を寄せ、皇太子ご夫妻時代から計11回も訪問を繰り返してきた。

    最初の訪問時には、慰霊のために訪れた「ひめゆりの塔」で過激派から火炎瓶を投げつけられることもあった。しかし、それからも、沖縄を想うお気持ちに変わりはなく、訪問を続けた。

    また、「らい予防法」と呼ばれる法律によって長年差別を強いられてきた、ハンセン病回復者の人たちに対しても、常に寄り添ってきた。お二人で全国各地の療養所をめぐり、入所者との交流を続けてきた。

    「歌声の響」は、まさにそんな両陛下のこれまでのあゆみを象徴する曲でもある。

    沖縄出身の三浦大知さんは、この琉歌を熱唱。Twitterでは「天皇陛下御在位三十年記念式典」とともに、「三浦大知」「大知くん」という言葉がトレンド入り。その素晴らしい歌声に心を震わせた人たちが、相次いでコメントをしている。

    NHKニュースが報じた独唱はこちら。

    天皇陛下在位30年記念式典 式典では沖縄県出身の歌手・三浦大知さんが、両陛下の作られた歌を独唱しました。 沖縄県のハンセン病療養所の人たちとの交流を通じて、天皇陛下が作詞され、皇后さまが作曲された歌です。 https://t.co/KKEQlkMPSs #nhhk_video

    UPDATE

    三浦さんのお名前の表記を修正いたしました。