• asobi badge
  • yasumi badge

100年前の子どもたちの「夏休み日記」を読んでみた

大正時代の「なつやすみおさらひ帳」と昭和初期の「ナツヤスミノトモ」を入手しました。

夏休みの季節がやってきました。ところで、戦争が始まる前の大正、そして昭和初期の子どもたちは、どんな風に夏休みを過ごしていたのでしょうか。

これが戦前の宿題帳です。この「ナツヤスミノトモ」は1934(昭和9)年発行。尋常科1年生(いまの小学1年)向けの冊子で、福島県教育委員会が編さんしています。

1ページ目には、夏休みの心得が書いてあります。

あんまり、いまと変わりませんね。宿題のページには数字の練習(8月2日)があったり、

しりとり(8月4日)があったりします。「タンク」に時代を感じますね。

8月21日(天気は晴れ)には折り紙を貼るところが。横のページの回文「長崎屋の焼き魚」なんかも面白い。

8月29日(天気は曇り)には日記も。

8月31日は「お家を写生しなさい」。電柱があるのがわかります。

最後の自由ページにはこんな絵が。表紙の続きを想像したのかな。

この「ナツヤスミノトモ」には「優」がつけられていました。ただ、みんながみんな、そういうわけではないようです。

こちらはさらに昔のもの。いまから100年前、1917(大正6)年の「なつやすみおさらひ帳」(尋常高等科1年、いまの中1向け)。現在の福島県郡山市の小学校で配られたようです。

まず1ページ目は「休暇中の心得」が。

一日一善については、こんな指示が書かれていました。

さて、高等科1年の彼の場合。2ページ目に書かれている初日の8月5日は「汽車道のらくがきをけしました」。えらい。というか漢字難しいし、日記が空欄なのは気になるけれど。

その後、急激にやる気を失っています。たとえば8月10日。一日一善は書いていない。日記も「今日は道端の草を刈ってそれから畑の草も刈った」とぶっきらぼうです。

2つ目の一日一善が登場するのは、なんと8月22日。「道の真ん中に桑のがらがあるので掃き避けた」。もう終盤ですね。

8月24日は「豆腐屋の真似をするのをとめた」。25日は「喧嘩をするのをとめました」。

そのまま一日一善はなくなり、どんどん字も汚くなっていくおさらい帳。8月28日には「今日は桑とりをしました」とあり、29日には「おなじく桑とり」。勉強部分は、もはや空白です。

31日のページは真っ白。先生もこう、苦言を呈しています。「よく家の手伝いをしましたね。復習の所々記入なきは残念です」

いつの時代も同じ。宿題はしっかりと、やりましょうね。

-----

「働き方」を考えるときに大事なのが「休み方」。政府は今年度、「働き方改革」に続いて「休み方改革」を進め、一部企業では週休3日制を導入するなど、休むためのさまざまな取り組みが広がっています。休むことは、私たちの生活の質の向上や健康につながります。

BuzzFeed Japanでは7月20日〜26日の1週間、私たちがより休暇をとり、楽しむことを奨励するコンテンツを集中的に配信します。

https://www.buzzfeed.com/jp/yasumi