床に落ちた「節分の豆」 子どもの命に危険をもたらすと消費者庁が警鐘

    誤嚥事故は重症化する危険が高い。

    節分を前に、消費者庁が子どもたちの「豆の誤えん」に注意を呼びかけている。特に3歳までの子どもがいる家庭は、「片付けを徹底」して事故を防ぐ必要があるという。

    2月1日の発表によると、2010年12月から17年12月末までに、豆やナッツ類を原因とする子どもの誤えん事故は計27件報告されている。

    入院を必要としたのは、そのうち約6割。「危害の程度が高い」といい、実際、以下のような事故が起きているという。

    • 豆まきをした後に、1歳の子供が床に落ちた煎り大豆をガリガリかじって食べて、3粒目でむせ込みぜいぜいし、呼吸器障害の症状が出た。(1歳、中等症)
    • 節分の残りの煎り大豆を食べた後からぜいぜいし始め、夜も眠れなかったため、翌日、救急車で来院。全身麻酔の上、気管支鏡検査、気道異物除去を行った。気管支に大豆の破片が3個あったため摘出した。5日間入院。(1歳、中等症)


    「3歳までは食べさせない」が鉄則

    消費者庁によると、豆類は「3歳まで食べさせない」ことが鉄則だ。「小さく砕いて食べさせることもやめましょう」としている。

    破片が気道に入ると、気管支炎や肺炎の原因になるおそれがあるためだ。

    破片は、体内の水分で膨らんで気道に詰まったり、油分が溶け出して炎症を起こしたりしてしまう。

    少し大きい子どもの場合も、「落ち着いてゆっくりと、よくかみ砕いて食べさせるように」する必要があるという。

    その上で、子どもが落ちた豆を食べないよう、節分の豆まきをした後には「片づけを徹底」するように呼びかけている。