丸山穂高議員「NHKをぶっ壊す。毒と毒を混ぜて劇薬に」 N国入りで宣言

    「NHKから国民を守る党」の立花孝志代表は、参議院議員選挙前から丸山議員に「ラブコール」を送っていた。「戦争発言」を受けた維新の会の除名処分や糾弾決議を受けた丸山議員は、今後どう動いていくのか。

    北方領土をめぐる「戦争発言」で日本維新の会を除名処分となり、衆院本会議で糾弾決議が全会一致で可決されていた丸山穂高議員が、「NHKから国民を守る党」に合流すると明らかにした。

    7月29日、同党の立花孝志代表と会見を開いた。「NHKをぶっ壊す」ワンイシューで共闘するという。現状は二人政党であるため、特段ポストなどは求めていないとしている。

    立花代表は参議院議員選挙の前日、丸山議員にTwitterで「お願いしたいこと」があるとリプライをしており、その動向が注視されていた。

    一方の丸山議員は29日午前、松本人志さんのツイートをもじり、以下のようにツイート。「N国入り」の方針を明らかにしていた。

    【速報】「NHKに不満よな。丸山、動きます」と丸山穂高議員、N国への入党要請に応じる意向を固める。本日13時から先日と同じ場所で立花議員と会談。その後、最終合意できればその場にて記者会見に切り替え予定。

    2人はこの日の午後、2度目の会談を開催した。1度目は1時間40分、今回は40分に及んだという。共闘することで合意したのちの会見で、立花代表は以下のように語った。

    「選挙前から丸山先生にはラブコールをしていました。念願叶った。ドラフト会議、FAで獲得した監督のような気持ち。丸山先生は右側のイメージがあるかもしれませんが、そうではなく、NHK一点についてのみ合意をして一緒に戦っていただけるとお返事をいただいた。嬉しい」

    一方、問題視されていた丸山議員の飲酒に関しては「話していない」という。

    「命令はしないが、また同じことをやれば、党としては無理でしょうから、それは十分自覚をされていると思う。お酒を召し上がることは止めようと思わない」

    また、糾弾決議については、「議員が議員に辞めろという事に関しては、三権分立から考える時にとても危険な事だと思う。丸山議員は犯罪をしたわけでもなく、それで辞めろというのは、国会議員の劣化だと思う。この一件があったから、選挙前からラブコールを送っていた」とした。

    丸山議員は「毒と毒を混ぜて劇薬に」

    一方の丸山議員は会見で、「ひとりではできることも限られるので、タッグを組んで共闘していきたい。まずはNHKをぶっ壊す。スクランブル放送をなんとか実現する」と宣言。こう語った。

    「今回、立花代表率いるN国がNHKを改革する、スクランブル放送一点について前に向けて進むために、2%超える方の支持を得た。不満の声に対して、しっかりと国のほうも対応していく必要があるんじゃないかなと感じます」

    「代表は毒を持って毒を制すとTwitterで書かれましたが、毒って私か、と。まあ毒なんですが、混ぜて劇薬にしてですね。薬にしていくことで、変えられないところに突っ込んでいきたい」

    厚生労働、安全保障、農水、外交分野などの他の政策については、「ワンイシュー政党なので、採決、行動、発言が一切自由。それぞれ、それぞれが判断して前に進めていくんだと合意に至りました」という。

    一方、自らへの糾弾決議については、「立法府自身が議員を辞めさせるよう決議を出すということであれば、立法自体の崩壊につながりかねない」と指摘。「しっかり活動していく中で、(自分の)議員としての存在意義を生み出していかないといけない」と言及した。

    また、決議が出る要因になった自身の「戦争発言」については、「私自身の言動については謝罪と撤回をした。そういう風にお聞きしたこと自体が、島民の方に対する配慮を欠いていた」と言及。

    ただ、「戦争でしか取り返せないのではという手段についての賛否を聞いただけであり、何より議論すらしないのは変なことだと思っている。国会においてもタブーなく議論されるべき」とも述べた。

    丸山議員「受信料は払っている」

    「NHKは既得権益という毒だと思っている。被害を受けている国民を守らないといけない」

    この日もそう言い切った立花代表は、「NHKの日曜討論に出演できるようになる所属議員5人」を目指している。

    現在12人の議員に声をかけており、その中で最初に返事があったのが丸山議員だったという。

    「権力は長く続くと腐敗する。自民党を脅かすような政党に向けて育てていきたい」として、今後は立憲民主党やれいわ新選組などの野党との連携も含め、党勢拡大を目論む方針も示した。

    「みんなの党」の代表などを務めた渡辺喜美・参議院議員が合流する、との報道もあるが、この点についてはコメントを控えた。そのうえで、こうも語った。

    「いろいろなご批判があることは十分理解していますが、この2人にとどまらないという方向で、明日も会見を控えています」

    一方、丸山議員は今後総選挙があり、「出ざるを得ないな」という場合は「N国さんから出る可能性が高い」とした。

    なお、丸山議員は「NHKの受信料は払っている」という。「法で契約しなきゃいけないとなっており、契約をした場合、支払いもすることになる」が、今後自動引き落としは止め、「集金人から話を聞く」方針だという。

    UPDATE

    一部文言を修正いたしました。