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【追記】「自民党が声明の受け取りを拒否」は誤り 杉田議員の辞職求める抗議めぐり、ネットで拡散

当初は警備員が受け取りを拒否していたが…

自民党の杉田水脈・衆議院議員が寄稿文で「(LGBTは)生産性がない」などと主張し、批判が高まっていることを受け、7月27日午後7時から自民党本部前で行われた、杉田議員の辞職を求める抗議活動。

Twitter上では「自民党がLGBT自治体議員連盟の抗議声明の受け取りを拒否した」という情報が拡散しているが、これは間違いだ。

そもそも抗議声明は、LGBT当事者の区議などでつくる「LGBT自治体議連」世話人で、自身もゲイの前田邦博・文京区議ら4人が提出している。

4人は党本部の建物内に入ることはできなかった。声明については警備員に一度受け取りを拒否されたが、最終的には受け取ってもらったという。

@mameta227 @kakejiku38 最初のうちは警備員さんが、警備の上司からの指示で受け取れないと言っていましたが、最終的には受け取ってもらいました。(党本部には予め連絡済みでしたので。) なお、建物内には入れてもらえませんでした。敷地内には入れました。

議連の石坂わたる中野区議はTwitterで「党本部には予め連絡済みでした」とアナウンスしている。

ただ、党職員による対応はなく、終始警備員によるものだったという。

最後に一つ情報が錯そうしているので事実を記したい。LGBT自治体議連が自民党本部に持参した自民党総裁・安倍晋三氏あての抗議声明は不受理になったとの情報もあるが、厳密にいえば不受理ではない。確かに党職員は対応しなかった。が、当初、受取拒否した警備員が渋々受け取った。党に渡すとのことだ。

上川あや世田谷区議も「厳密にいえば不受理ではない。確かに党職員は対応しなかった。が、当初、受取拒否した警備員が渋々受け取った」とツイートしている。

当初の警備員による受け取り拒否が、現場を通じて拡散したとみられる。石坂区議も「情報が錯綜し、誤情報が流れているよう」と指摘している。

@BLMNA 情報が錯綜し、誤情報が流れているようですね。 https://t.co/bkZWYL76xw をご確認ください。

この情報は、ネットメディア「LITERA」が「杉田水脈と自民党のLGBT差別に5000人が自民党本部前で怒りのデモ!自民党は抗議声明を受け取り拒否」という見出しで配信したことでさらに拡散。

記事は午前11時現在、TwitterやFacebookで2400近くシェアされているほか、「excite. ニュース」などにも転載されている。

BuzzFeed Newsでは、当日の現場の様子をTwitterモーメントにまとめている。今後も随時記事を掲載する。

UPDATE

BuzzFeed Newsの取材に応じた石坂区議によると、議連で自民党に改めて問い合わせ、抗議声明を党として受け取ったことを確認したという。

「受け取ったことをきっかけに、きちんと対応を進めてもらいたいと思います」という石坂区議は、こう話した。

「自民党所属の国会議員の中からも、事態を問題とするものや、今後きちんと施策を進めていくという発言が出ました。一昔前では考えられないことで、当事者の声を無視できない状況になっているのではないかと思います」

「表面的な謝罪等で終わるのではなく、きちんと党内で前向きな議論や啓発を進め、自民党の中から二度とこうしたことが言動がないようきちんと反省をし、より実効的な施策を進めてもらうことが必要です」

声明の扱いを巡っては、警備員が声明を受け取ったことを「実質的な受け取り拒否だ」などとする批判もTwitterで上がっていた。

だが石坂区議によると、事前の問い合わせの段階で「党職員が対応する時間を過ぎているため、警備員が対応する」となっていたという。