地震がトラウマになったら。熊本地震でつくられた絵本がある

    子どもたちの心は、災害で大きく傷つく。

    熊本県で1月3日午後6時10分ごろ、最大震度6弱を観測するM5.1の地震がありました。

    一連の熊本地震があった2016年4月以降、県内で同規模の地震があったのは初めてです。深さは10キロで、和水町で震度6弱を、熊本市北区や玉東町で震度5弱を観測したほか、広い範囲で震度3以上の揺れが起きました。

    3年前の熊本地震では、2016年4月14日夜に「前震」と16日未明の「本震」の2度、震度7の揺れが起き、大きな被害が出ました。震災関連死は200人を超え、いまでも9千世帯以上が仮設住宅などに暮らしています。

    災害時には、子どもたちの心が大きく傷つきます。

    言語化できないストレスが様々な兆候に現れることもあります。セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンがまとめたものは以下の通りです。

    ①身体症状

    手足が動かなくなる、声が出なくなる、立てなくなる、意識を失う、お腹や頭が痛くなる、おねしょをする

    ②退行現象(赤ちゃん返り)

    わがままになる、年齢にそぐわない甘え方をする

    ③マジカル・シンキング

    現実にないことを言い出す、自分の悪事のせいで災害が起きたと思い込む

    ④災害ごっこ

    地震だったり津波だったり、災害で体験したことを思わせる遊びや話を繰り返す

    ⑤精神症状

    突然パニックになる、泣く、眠れなくなる、食欲を失う

    そうした子どもたちのケアのために、2016年に震災を経験した熊本市の子ども発達支援センターがつくった絵本があります。

    絵本では、地震を「ちきゅうさんがかぜをひいた」と表現。

    慣れない避難生活などで泣いてしまう男の子の様子が描かれています。

    避難生活が2週間続いた後、当時のトラウマから家に入ることができなくなりますが……

    だんだんと日常を取り戻していきます。

    絵本では、「子どもたちは、また家で地震が起きるのではないかと心配して、家に戻れない場合があります」として、保護者に3つのポイントを伝えています。


    1 / なるべく、もとの生活リズムに戻してください。 慣れているおもちゃなど近くに置いておくとよいかもしれません。

    2 / 子どもが安心できるスペースをつくってください。 例えば、物が倒れてきたり、落ちてこないようなスペースをつくってください。

    3 / 再度地震があった場合、どう行動するのかの見通しを伝えることも大切です。まずここに逃げて、次はどうするのかを知らせた上で、周りの大人がしっかり守ってくれるから大丈夫という安心感を与えてあげてください。

    絵本の全文はこちらのサイトから。

    英語版、中国版、ポルトガル語その他の言語版も用意されていますよ。困っている人がいれば、ぜひ伝えてあげてください。