東京入管、難民に関する落書きに「止めましょう」とツイート 批判の声も

    支援者らからは批判の声が上がっている。

    東京入国管理局が11月20日夜、道路に「FREE REFUGEES」(難民たちを解放せよ)などと描かれたスプレー落書きの写真をTwitterに「少しひどくはないですか」などとアップし、拡散している。

    ツイートは「落書きは止めましょう」「表現の自由は重要ですが、公共物です」とする内容だ。

    落書きは器物損壊罪などに該当する犯罪で、それ自体は批判されるべき行為だ。一方で、入国管理局をめぐっては難民申請者を含む外国人の長期収容が問題視されており、支援者らから批判の声も上がっている。入管側の見解を聞いた。

    ~落書きは止めましょう~ 11月19日早朝,港南大橋歩道上にて。 表現の自由は重要ですが,公共物です。 少しひどくはないですか。。。

    ツイートは11月20日の18時19分に投稿されたもの。

    東京入管にほどちかい「港南大橋」付近の道路や壁、歩道橋などにスプレーで落書きされた「FREE REFUGEES」(難民たちを解放せよ)「REFUGEES WELCOME」(難民歓迎)という写真を3枚アップした。

    1日午後2時半現在、プロフィールに固定されており、3800以上リツイートされるなど拡散している。

    半年を超える長期収容や、難民認定の問題に抗議を続けてきた支援者からは、当事者である入管側がこうしたツイートをしたことに対し、批判が強まっている。

    ある支援者は入管のツイートになぞらえて、こうもツイートしている。

    「人間の無期限収容はやめましょう」

    「茨城県牛久市に342人も収容し、最長収容は4年3ヶ月です。外出もネットもできず病気も放置。在留資格は重要ですが、人間です。少しひどくはないですか」

    東京入管の意図は

    なぜ、このようなツイートをしたのか。BuzzFeed Newsの取材に応じた東京入管の広報担当者は、こう説明した。

    「うちと関係のない公共物に損害を生じさせる表現方法を取られたので、あえてツイートをしました。描かれているメッセージの中身は関係がありません。これが仮に『入管がんばれ』という激励でも、同様のことをしたと思います」

    落書きは11月19日早朝、出勤途中の職員が見つけたものだという。

    アカウントはそもそも個人で管理しているものではないため、組織内で内容を決めたうえで翌日夜に投稿した。

    「敷地外だとしても内容がうちに関わるものですから、知らんぷりはできません。警察と管理者にも連絡をしました」

    「FREE REFUGEES」などというメッセージについては、どう捉えたのか。担当者は、18日に東京入管前で支援者らが開いた長期収容に関する抗議活動に言及し、こう語った。

    「この落書きも、入管への抗議の一環と捉えています。入管行政に批判的なご意見があることは十分承知しております。抗議活動をしないでほしいということもありませんし、申入書の受け取りの拒否もしておりません」

    「結果としてどうなるかは別だが、シャットダウンすることはない。ただ、こうした表現方法はお控えいただきたい。ルールの中でやっていただければ」

    そのうえで、メッセージそのものが指摘しているとみられる長期収容や難民認定そのものに関しては「行政全般に関するコメントをする立場ではない」とするにとどめた。