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【全文】翁長知事が息子に遺した言葉 「一生懸命、病室のベットの上でも頑張っていた」

名護市辺野古沖の埋め立て承認を「撤回」すると表明した矢先に亡くなった翁長知事。「県民大会」で伝えられたそのメッセージとは。

沖縄県の米海兵隊・普天間基地の辺野古移設に反対する「県民大会」(辺野古に新基地を造らせないオール沖縄会議主催)が8月11日、那覇市で開かれた。

集会には、7万人(主催者発表)が集まった。翁長雄志知事の次男で、那覇市議の雄治さんが語った内容は以下の通り。

県民のみなさま、そして多くの国民の皆様に、父の体のことで多大なご心配をおかけしました。

みなさまのご期待に添えるように、最後まで頑張りましたが……残念な結果となりました。申し訳ございませんでした。

最後の最後まで、どうやったらこの辺野古新基地を止められるのか、一生懸命病室のベットの上でも資料を読みながら、頑張っておりました。

登壇させていただいていいのか、お願いしていいのか、寸前まで悩みましたが、おそらくこれが最後の機会になるのではないかと思い、上がらせていただきました。

今日は父が生前よく話していたこと、私に話していたこと、みなさまの前で話していたことを、改めてお話させていただきたいと思います。

沖縄に、辺野古に、新基地をつくる。どれほどの大義名分があるのでしょうか。そういう説明がしっかりとなされて来たのでしょうか。

全国が受け入れないから沖縄に置いておけばいい、いま我々が納得できない、そういうものを将来の子どもたちに、残してしまうのでしょうか。

県民のみなさま、今一度、しっかり我々の思いを形にいたしましょう。

父は生前、『沖縄は試練の連続だ。しかし、一度もウチナーンチュとしての誇りを捨てることなく戦い続けて来た。ウチナーンチュが心を一つにして戦うときには、お前が想像するよりも、はるかに大きな力になる』となんどもなんども、言われてきました。

現に、今回の県民投票の署名活動も、必要署名数の約4倍以上にもなる、10万票を集めることができたのは、県民の大きな決意だと思います。

日本全国のみなさま。多くの国民が必要であると考える日米安保、米軍基地。

この国土の0.6%にすぎない沖縄に70%の基地があるのは、いくらなんでも過重すぎやしませんか。

全国的な議論のテーマにあげていただいて、この問題は、沖縄の問題ではなくて、日本国の問題、課題であると認識をして、議論をしていただきたい。

国の専権事項だからといって、いま責任を持っている我々が、次の世代に、何もせずに指をくわえてみているわけにはいきません。

オール沖縄というこの大きな政治的潮流は、政治家のためにあるためではなく、政争の具にするためでもありません。

オール沖縄は我々ウチナーンチュの強い決議、覚悟です。その民意に我々、政治家が突き動かされているんです。

最後まで、みなさま諦めずに、頑張って、見届けることはできませんでしたが、父に、翁長雄志に、辺野古新基地が止められたという報告ができるように、みなさま、がんばりましょう。


BuzzFeed Newsでは、翁長知事への生前のインタビューをまとめた記事「翁長知事が死去 生前に語っていた沖縄への想い」も配信しています。