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育児をするのは"地獄"か。男性同士の会話から生まれた父親の怒り

男性は「何が地獄だ!」と怒りを示す。

朝、子どもの面倒を見ることは、果たして地獄なのかー。

朝の育児で自分だけの時間を持てない父親と、トイレにこもって新聞を読むという一人だけの時間を過ごす父親とのある会話が、男性の育児に対する意識の差を改めて浮き彫りにした。

Twitterで、前者の男性から以下の会話が投稿されると、多くの賛同と男性の積極的な育児参加を望む声が上がった。

男「朝は新聞読みながら20分くらいトイレに籠るのが日課なんです」


僕「ゆっくりできていいですね〜。僕は朝は時間なくて」


男「起きるの遅いんですか?」


僕「いや、朝は妻が仕事でいないので、子どもたちのこととかあって時間が無いんですよ」


男「え!?それは地獄ですね」


僕「大変ですが地獄ではないですよ」


男「え、僕だったら絶対嫌です。地獄ですよ、それ〜。」


僕「いやいや、地獄なんてことはないですよ」


男「僕も子ども2人いますけど、そんなこと1回もしたことないですよ〜。奥さんヒドいですね〜」


僕「ヒドい?どこら辺が?」


男「だっておおしまさん仕事の前に大変じゃないですか〜」


僕「いや、妻も仕事ですから同じですよ。ヒドいとかやめてくださいよ」


男「失礼しました。でも僕だったら地獄です」


僕「じゃあ男さんの奥様は地獄にいたんですね」


男「え??」


僕「あ、すいません。でも地獄だっておっしゃるので」


男「そんなつもりはないですよ」


僕「え、でも矛盾してないですか?男さんが思う地獄を奥様は過ごしてこられたわけですよね?」


男「妻には地獄じゃないですよ。僕が稼いでいるんですから」


僕「男さんが稼いでいることと、朝の家事育児の大変さ自体はあまり関係ないと思いますよ」


男「関係ありますよ〜」


僕「ん〜、ちょっとよくわかりませんが…」

たとえ妻が専業主婦でも、共働きでも

これが、仕事を通じて出会ったという40代の男性との一連の会話だった。そして、投稿した男性は「何が地獄だ!」と怒りを表現した。

共働き世帯で3児の父である男性。会話をした男性の妻が専業主婦だったとしても思いは変わらないという。

「外へ稼ぎに行くのは大変だが、家に残って専業主婦をやっているのは大変ではない」と考えているならば間違っているとして、その後、こう投稿した。

「朝の家事育児が終わった後も洗濯やら掃除やら買い物やら昼食夕食の準備やら名も無き家事やらで、外に稼ぎに行くよりも大変じゃないなんて言えない」

また、その男性が共働きだった場合でも、「稼ぐ額の多さと朝の家事育児の大変さは全く関係ない」とし、「稼ぎが少ない方がやって当たり前的なのも間違っている」と主張した。

この一連の会話に対して、Twitterユーザーからは、同じく朝の時間に夫が育児に参加しないという女性が悩みを吐露して共感したほか、次のようなさまざまな声が寄せられた。

「奥さんが朝バタバタしてるのにトイレで呑気に新聞読んでるなんて信じられない」

「こういう旦那さん多いんだろうなぁ。。」

「朝にトイレに20分も篭るの邪魔じゃない?」

育児に積極的ではなかった男性の過去と転換点

なぜTwitterに投稿したのか。BuzzFeed Newsは男性に話を聞いた。

すると「晒してやろう」などといった攻撃的な思いはなく、「自分の大切にしている時間と妻のことをディスられて腹が立ち、それを吐き出したかったから」と話す。

男性が育児に積極的なのは、「楽しいから」。ただ、かつては正反対だったという。変わったきっかけを語ってくれた。

「きっかけは、気丈な妻が育児に悩み、夜な夜な1人で泣いているのを目撃したことです」

「しょうもない父親だった僕はこのままではダメだと思い、育児に積極的に関わるような当事者意識を持つようになりました。そして、子どもと一緒に過ごした時間が増えるにつれ、その楽しさを感じられるようになったんです」

そして今、こう思っている。

「子どもの毎日の変化や成長を目の当たりにできるし、僕にとって子どもは友だちであり、恋人みたいなものなので、時間を共有して一緒に色んなことをするのが楽しくて仕方がありません」

育児がしやすい家庭が増えるために

男性は、同じ男性が育児面でもっと当事者意識を持つことを願う。

多くの家庭にある育児のしにくさの最たる理由は、「男性の意識の低さ」だと考えているからだ。

Twitterでの反響を受け、育児に積極的な父親が「まだまだ少ない」との印象を持ったといい、「もっと変わっていかないといけないと思いました」。

「男性の育児参加は出生率向上などの社会的課題解決に必ずつながると思っています」

「今は、制度面や社会的風土が変わる転換期だと思っていますので、色んなところで発信し、男性の価値観を変えていければと思っています」