政府は12月19日、返済の必要のない「給付型奨学金」の制度を2018年度から始めると決めた。住民税非課税世帯である大学や短大、高専、専門学校に進学する人に、月額2〜4万円を給付する。
国による返済不要の奨学金は初めてで、家庭の経済状況を理由に、進学を諦めてしまう人を支援する狙いだ。
その日、「浪速のエリカ様」の愛称を持つ無所属の上西小百合衆院議員が、Twitterで「私は給付型奨学金については大反対です」から始まるツイートをしたところ、批判が集まった。
批判を浴びたツイートはこれだ。
批判が殺到する中、上西議員はたとえばこんな反論をした。
1.「今時、中卒というのはどうかと思いますが。中卒では単純労働などのブルーカラーの職しかつけませんよ」
2.「あなたは中卒 あるいは高卒でお金を稼いで そのお金で私立大学へ行ったのですか?」
一つ一つの疑問に答えながら、持論を述べていく。
「所謂、一流大学に行くには現実的には学習塾に行かなければなりません。その費用がどれくらいだかわかりますか。結局、お金持ちが勝つ構造は変わらないどころかより差がつきます」
そんな上西議員に対し、あるユーザーが公式HPに「返済不要!給付型奨学金制度の拡充」と掲げていると指摘した。
指摘を受け、この項目は削除されている。
事務所は、上西議員の発言をどう捉えているのか。BuzzFeed Newsは問い合わせた。
秘書はこう説明する。
「Twitterでもあるように、本人の考えが変わったわけではありません。維新の党にいるときは、自分の考えと政党の考えが違っていても、合わせなければいけなかったということです」
考えが変わっていないのならば、無所属になった時点でなぜ項目を削除しなかったのか。
「それは脇が甘かったのだと思います。今回の指摘を受けて気づいたのでしょう」
Twitterでは、短文での投稿になるため、説明が不十分になる恐れがある。実際、不快感を覚えた人もおり、批判が集まった。事務所として、Twitterの使い方をどう考えているのか。
「ツイートがきっかけになり、給付型奨学金を考えるわけですよね。議論が活発になり、とてもいいことだと思います」
「上西は、覚悟を持って発言しています。今後、勉強会やテレビで、しっかりと制度の問題点を説明していくはずです」