休暇旅行先のサイパンで2019年1月に亡くなった、人気YouTuber「アバンティーズ」のエイジさんのお別れの会が2月27日、東京都内で営まれた。
祭壇にはエイジさんの遺影が飾られ、赤い花や色とりどりの風船などにより華やかな会場の中、中高生ら約7千人のファン(主催者発表)が故人をしのび、献花した。
訃報は突然だった
「アバンティーズ」は幼稚園からの同級生を含むそらちぃ・ツリメ・エイジ・リクヲの4人組。
全員が埼玉県出身で、中学生の頃からYouTubeにて動画投稿を始めた。「やってみた」系の実験動画やドッキリ動画などは、特に中高生を中心に人気となった。
エイジさんの訃報は、所属事務所のUUUMが1月4日に発表。
発表によれば、エイジさんは1月1日、サイパンに旅行中、浅瀬で高波にさらわれた。懸命な救出活動が行われたものの、搬送先の病院で死亡が確認された。休暇中のため、当時は動画の撮影をしていなかったという。
多くのファンが長蛇の列
訃報からおよそ2ヶ月。開場前から長蛇の列ができ、制服姿の学生や個性豊かな私服姿のファンたちが並んだ。
ファンの多くが中高生かつ、この日が平日であることに配慮し、UUUMが「平服にてお越しください。私服、制服問わず、皆様のお気持ちにお任せいたします」と呼びかけていた。
赤、ピンク、白の花々と遺影
会場内では、赤、ピンク、白の花々に囲まれたエイジさんの3枚の遺影が、ファンを迎えた。
お別れの会のために制作された動画も流れた。生前のエイジさんの様子を写したもので、冒頭、他のメンバー3人が参列者に語りかける。
「エイジのお別れ会にお越しいただき、本当にありがとうございます。今後ともどうかアンバンティーズのほうをよろしくお願いします」
思い出の品々も
祭壇の横には、エイジさんの写真の数々のほか、4人が共同生活をする自宅「アバハウス」に置いてあった品々も飾られた。
参列者に用意されたのは、赤い花。献花を終え、会場をあとにしたファンたちの多くがハンカチを手に、涙をぬぐっていた。
ファンの思い「毎日の楽しみでした」
小学生の頃からエイジさんのファンで、いずれも静岡県の中学生3年生の女性2人。15歳の彼女たちは涙を流しながらも、献花後に話を聞かせてくれた。
一人は「天国でも笑って過ごしてくれたらいいな」、もう一人は「天国から他のメンバーを見守っててね」と心の中で語りかけたといい、肩を落とした。
おもしろいと思った動画は尽きない。「家のリビングに巨大プール作ってみた!!!!」「【正座1時間】痺れた足で誰が1番早く走れる??」...。
「4人がバカなことをするのがおもしろくて」。そう懐かしむと、天国のエイジさんに向け、2人は絞り出すように言葉にした。
「動画が、毎日の楽しみでした。いつも笑わせてくれてありがとう」
電光掲示板の表示
葬儀は、すでに家族や近親者のみで営んだ。他のメンバー3人のなかには、活動を続けるのは無理だと思うメンバーもいたというが、「エイジさんへの一番の恩返しになる」との思いから継続を決めた。
UUUMの鎌田和樹社長は、BuzzFeed Newsの取材に「皆さまのお気持ちは、エイジに届いていると思います」と全国のファンに向けて感謝する。
「大変多くの皆さまに足を運んでいただき、また特設サイトでも多数のコメントをお寄せいただいており、とてもありがたく思っております。本当にありがとうございます」
この日のイベント情報を載せる会場外の電子掲示板には「アバンティーズ エイジ お別れ会」との表示があった。
BuzzFeed Newsは報道機関として会場内の撮影の許可を得たが、一般参列者は撮影が禁止されていたため、多くのファンは代わりに掲示板をスマートフォンで撮影していた。
女性ファンの一人は、バッグにスマホをしまうと「大好きしか言えんかったよ」と頬に涙を伝わせながら、友人に話していた。
更新
主催者によると、「お別れの会」の最終参列者は約6800人になりました。