天皇陛下「おことば」でハプニングも皇后さまがサポート 「絆の深さ感じる」の声

    天皇陛下は「おことば」の後半部分で、「平成」改元の頃に皇后さまが読まれた短歌を紹介された。

    2月24日に国立劇場で開かれた「天皇陛下御在位30年記念式典」。この日、天皇陛下が式典を受けての「おことば」を述べられた。その途中、「おことば」を記した紙を読む順番を間違えられ、皇后さまがサポートする場面があった。

    陛下は、およそ8分半の「おことば」の中で、「平成」の30年間を回顧。

    平和を希求する国民の強い意志や、誠意をもって諸外国との関係構築などの重要性、災害の被災地について言及された。また、象徴天皇としての務めについて、次の世代への期待を述べられた。

    「おことば」の順番でハプニング

    「おことば」がはじまり、5分半ほどが過ぎたころだった。天皇陛下は「在位30年にあたり政府、並びに国の内外から…」と、冒頭部分を再び読まれた。

    ここで、隣で天皇陛下を見守られていた皇后さまが間違いに気づき、陛下に知らせた。

    天皇陛下は「え? どうして?あ、そうか」と戸惑われたが、皇后さまが「違いますよ」と陛下の手元の原稿を確認。陛下は天皇陛下「え?これだ。どうも」と応じられ、すぐに「おことば」を再開された。

    「絆の深さを改めて感じた」の声

    ハプニングに際しても協力し合うお二人の姿を見た人々からは、「天皇陛下と皇后さまとの絆の深さを改めて感じた。素晴らしいです」「内容覚えていたんだなってのが分かる早さでのフォロー。いつもの皇后さま。いつだって皇后さまは天皇陛下をささえている」といった声がTwitterであがった。

    天皇陛下は「おことば」の後半部分で、「平成」改元の頃に皇后さまが読まれた短歌を紹介。

    ともどもに 平(たひ)らけき代を 築かむと
    諸人(もろひと)のことば 国うちに充(み)つ

    その上で、こう述べられた。

    「平成は昭和天皇の崩御と共に、深い悲しみに沈む諒闇の中に歩みを始めました」

    「そのような時でしたから、この歌にある『言葉』は、決して声高に語られたものではありませんでした」

    「しかしこの頃、全国各地より寄せられた『私たちも皇室と共に平和な日本をつくっていく』という静かな中にも決意に満ちた言葉を、私どもは今も大切に心にとどめています」

    天皇陛下、皇后さま 支え合った60年

    2018年12月、天皇陛下は85歳の誕生日に際しての会見で「天皇としての旅を終えようとしている」とした上で、時折り言葉をつまらせながら皇后さまへの感謝の思いを述べられている

    「皇后は常に私と歩みを共にし、私の考えを理解し、私の立場と務めを支えてきてくれました」

    「私はこれまで、象徴としての私の立場を受け入れ、私を支え続けてくれた多くの国民に衷心より感謝するとともに、自らも国民の一人であった皇后が、私の人生の旅に加わり、60年という長い年月、皇室と国民の双方への献身を、真心を持って果たしてきたことを、心から労いたく思います」

    2019年4月、お二人はご成婚60周年を迎える。