米朝首脳会談、なぜ合意できなかった? トランプ大統領が語った理由は…(会見要旨)

    「いくつかの選択肢があったが…」

    米朝首脳会談を終えたアメリカのトランプ大統領は2月28日午後4時過ぎ(日本時間)、滞在先のベトナム・ハノイで記者会見を開いた

    トランプ大統領は、北朝鮮と非核化をめぐる交渉で合意に至らなかった理由について、北朝鮮側が「経済制裁の完全解除」を要求したが、寧辺以外の核関連施設の廃棄に応じる姿勢を見せなかったことが理由だと述べた。

    会見にはポンペオ国務長官も同席した。

    トランプ大統領の冒頭発言

    非常に建設的な時間を過ごした。私もポンペオ国務長官も、今日何らかの合意文書に署名をするほうがいいかもしれないと考え、いくつかの選択肢があったが、それらを選ばないと決めた。興味深い、建設的な2日間だった。


    ポンペオ国務長官の冒頭発言

    昨年6月、シンガポールでの米朝首脳会談で合意したこと(「朝鮮半島の完全な非核化」)について前進し、今回の協議でも前進したが、アメリカにとって意味あることは達成できなかった。北朝鮮側には、さらに一歩踏み出すように求めたが、その準備はできていなかった。ただ、今後については我々は楽観的に考えている。

    トランプ大統領の発言要旨

    • アメリカが望んだ非核化についてある程度は認める用意があったようだが、我々が求めているレベルではなかった。
    • 北朝鮮は完全な経済制裁の解除を求めてきたが、アメリカはそれに応じることはできない。我々は何も譲歩していない。
    • 寧辺の核施設の廃棄だけでは十分ではない。アメリカはより多くを求めている。アメリカとしては制裁を解除したいという気持ちはあるが、そのために今回の条件は飲めなかった。
    • 北朝鮮の核関連施設への査察準備はできている。
    • 昨年よりは前進している。今回の会談では、合意に至らないことが良いと判断した。今後、どうなるか見極めたい。
    • 会談はとても友好的な雰囲気だった。交渉決裂ではない。
    • 両国に溝があるのは確か。だが、それを埋めることはできる。
    • これからも北朝鮮との関係は維持したい。ただ、我々はまだ経済制裁が必要だと考えている。
    • 金委員長はロケットや核の実験は行っていないし、今後も行わないと言っていた。それを信じている。
    • 今日、両国で何らかの合意をすることも可能だったが、もし合意に至っていれば多くの人が「ひどい合意だ」と評したと思う。我々はスピードよりも正しいことをしたい。
    • 次回の米朝首脳会談は約束していない。


    ポンペオ国務長官の発言要旨

    • 北朝鮮の非核化は複雑な問題で、時間がかかることはわかっている。限界も、課題もわかっている。
    • 前進はあったので、今後も数週間の話し合いを続ける。最終的には非常に良い結果を求めることができると思う。


    会見は40分ほどで終了。トランプ大統領はハノイからワシントンへの帰路に着いた。