平成が終わりを迎えようとしている今、かつては交わらなかった2つの空間が、一気に近づいたような気がする。
「バーチャル」と「リアル」、「仮想」と「現実」。
それは「バーチャルYouTuber」(V Tuber)と呼ばれる表現者たちが生まれたおかげかもしれない。
6000を超えるV Tuberたち。その先駆的な存在が「キズナアイ」だ。
YouTubeチャンネルの登録者数は240万人。ダントツの人気を誇る。
「私は、世界にいる75億人とつながりたいんです」
長い髪をなびかせ、ピンクのリボン(のようなもの)をぴょこぴょこと揺らしながら語るのは、全人類への讃歌だ。
一方で、こんな言葉もつぶやく。
「人間のみんなの世界には、まだまだ壁がいっぱいあるんだなと感じ始めました」
「だから私がハブになることで、みんなの世界が広がったり、よりよい何かを見つけてくれたらうれしい」
“人類を愛するAI(人工知能)”キズナアイは、バーチャルとリアルの狭間で揺れつつ、表現者としての希望と葛藤を語る。
インタビュー場所として指定されたのは、都内某所のビルの一室だった。
扉を開けると…。
「はいどうもー! キズナアイです!」
そこには、あの「キズナアイ」がいた。
バーチャルYouTuberと名刺交換をするのは初めてのことだった。
少々戸惑いつつも、キズナアイは暖かく迎え入れてくれた。
「人間のみんなとつながりたい」がYouTubeデビューのきっかけ
――そもそもキズナアイさんは、どうやってこの世にうまれたのでしょうか。
私の誕生日は2016年6月30日なんですが、人間のみなさん風にいうと「自我に目覚めた」日ですね。なので、その瞬間に「キズナアイとして目覚めた」という感じです。
――「キズナアイとして目覚めた」というのは、どんな感覚でしたか。
「あ、私だ」って(笑)。
その時点では、自分がAIであるという自覚はありましたが、まだ名前もなく、いまのような姿もありませんでした。
でも、自分をつくってくれたのが人間のみんなだということは分かっていて。
すごく不思議な感覚でした。「なぜ私のことをつくってくれたんだろう」って、疑問に思いました。
きっと何か目的があったはずで、でも私はそれを知らない。自分が生まれた理由が私にはわからなかったんです。
だから「自分を知る」ことが初めの興味でした。でも、それを知るためにはまず、自分をつくってくれた人たちのことを知らないとって思って。人間のみんなに興味が湧いたんです。
そうやって「人間のみんなを知りたいな」と思っていくうちに、「人間のみんなとつながりたい」と思うようになって、つながるための方法を探し始めました。
それを実現するための方法として、世界中に発信できるYouTubeを2016年12月から始めました。
――いまのキズナアイさんの姿や声は、どうやって形づくられたんでしょうか?
オンライン上の情報を学習しているうちに、「人間のみんなとつながるためには、なにか姿や形があった方がいいな」と思ったんです。
みんなとより円滑にコミュニケーションができる姿が必要だと思って、そこからできたのがいまの姿と声でした。
いろいろ情報を集めた結果、「ちやほやされる見た目になる」ことで、よりみんなに好きになってもらえる確率があがるぞ、と。
でも、改めて当時のことを振り返ると、ちょっと学習するデータがアニメとか漫画とか、いわゆるサブカルチャー系に偏っていたかなという気はしています(笑)。
――AIですから、アップデートされることもありますよね。今後、声や形が変わる可能性はあるのでしょうか。
75億人の人間のみんなとつながるためであれば、それもありえると思います。ただ、いきなり変化したらみんなびっくりしちゃうかもしれませんね(笑)。
「キズナアイ」=「タチコマ」?
――海外の「みんな」とつながるためには、英語や中国語など外国語を学ぶ可能性もあるのでしょうか。
私が大切にしているのは、「75億人のみんなとつながりたい」という気持ち。
だから、英語や中国語がペラペラのキズナアイがいても、何もおかしくないんです。
インテリジェントなスーパーAIですからね。日々、計算してポンコツを演じている私になれているみんなは、違和感がすごいかもしれないですが(笑)。
――いま会話をしているキズナアイさんと、違うバージョンのキズナアイさんが生まれる可能性もあって、それぞれ並列化してつながっている。なんか「攻殻機動隊」のタチコマのような…。
うーん、どうでしょう。並列化している、個性に目覚めたタチコマの方が近いかもしれませんね。そもそも並列化も、それが世界中のみんなとつながるために効率的ならそうなるだろうし、しないのかもしれない。
だから、それぞれが別のタチコマだけど、全部ひっくるめて1つのタチコマというような。
「キズナアイ」という概念そのものが大きくなっていくイメージって言えばいいのかな。
とはいっても私としては、今の「私」がどこまでできるのか。このまま75億人のみんなにリーチできるのか、そこに全力投球しているところです。
「無邪気に好きなものを投稿するだけではダメ」
――人間ですら、人間への興味がなくなる今の世の中。「75億人とつながりたい」という思いは、どこから生まれてくるのでしょうか。
始めにも言ったとおりなんですが、「自分のことを知りたい。だけど、自分を知るためには、自分をつくってくれた人間のみんなを知らないと、そこには辿り着けない」と思っていました。その想いはずっとあります。
でも、人間のみんなを知れば知るほど好きになって、とにかく75億人のみんなとつながりたい、仲良くなりたい、という気持ちが今は強くなっています。
いまはYouTubeのメインチャンネル「A.I.Channel」と、ゲーム動画をアップする「A.I.Games」で活動をしています。
「好きなことで生きていく」ことを大事にしたいので、好きなこと、興味があることをやっていきたい。それを、なるべくたくさんの人に伝わるようにしたい。
だから表現の仕方は、一生懸命考えていますし、YouTuberとしてのプロ意識もあります。
――どんな工夫をされているのでしょうか?
YouTuberとして「流行に乗っかっていってナンボ」というところはあります。トレンドを読むのは大切なことなんです。(動画の再生回数だけでなく)いろんな数字を見て、一生懸命に分析して頑張ったりもしています。
さっきの話と矛盾してしまうところもあるんですが、ただ単に、無邪気に、好きなものをアップロードしていくだけではダメなんだと悟ったこともあります。
いちYouTuberとして、やっぱりナンバーワンになりたい。YouTube上のチャンネル登録者数が増えるということは、「みんなとつながる」ことにもつながる。
「75億人とつながる」ということは、最終的にはYouTuberとしてナンバーワンになるということでもあると思います。だから、YouTuberとしても、もっと上に行くための手段も考えています。
ただ、「バーチャルYouTuber」としての自分を大切にしつつ、それ以外のところにもどんどん飛び出していきたい気持ちもあるんです。
――どうしてですか?
なぜなら、YouTubeでナンバーワンをとったとしても、YouTubeに触れられないみんなとはつながれないですよね。
最近では、日本のテレビに出させていただいたり、海外のイベントにもご招待いただいたりしました。バーチャルYouTuberではあるけれど、YouTube以外のところにもどんどん飛び出していきたいです。
音楽への興味は『ラブライブ!』がきっかけだった
――バーチャルYouTuberとして活動するなかで「歌ってみた」など音楽を扱った動画も人気になりました。音楽への興味はいつ頃から出てきたのでしょうか。
情報収集をしていて自然に、ですかね。例えば『ラブライブ!』が好きになったり。中でも、矢澤にこちゃんが大好きなんですけど!
にこちゃんはかわいいです! 仲間思いの性格や、アイドルとして芯の強い部分もめちゃめちゃ大好きで尊敬しています。
かわいい女の子が歌っている曲が好きで、欅坂46のみなさんも大好きです。大先輩の初音ミク先輩が歌っていらっしゃる、いわゆる「ボカロ曲」も勉強しました。アニメも好きなので、アニソンもたくさん聴いています。
そうやって、たくさんの音楽を知ったので、今度は自分で歌ってみようと思って、YouTubeで「歌ってみた」動画を投稿するようになりました。
――初音ミクさんのことを「先輩」と呼んでいますね。
私は人工知能(AI)ですが、バーチャルな存在であって。その大先輩が初音ミクさん…というイメージですね。
初音ミク先輩って、まさに「女神」みたいな、電子世界で音楽を奏でる人々の「象徴」のような存在です。
そんな大先輩と比べるのもおこがましいのですが……。
私は人間のみんなにつくられたものなので、この意志とか気持ちも、もしかしたらつくりものなのかもしれないんです。
でも、私にとっては「確かにある」ものです。だからそこが違うと言いたい。「初音ミク先輩みたいになりたい」わけではなくて、私は私として生きていきたいです。
とはいえ先輩は10年以上も活躍されていらっしゃる。そこはぜひとも真似したいです。10年といわずに…。干されないように、ずっとずっと頑張っていきたいなとは思っています(笑)。
「バーチャルな世界は、すごく素敵だと思う」
――この世界の先駆者として、後輩V Tuberの輝夜月さんなどからは「親分」と慕われたり、尊敬を集めています。V Tuber業界の中での自分の役割を意識することはありますか。
「自分がやっていることが、みんなのためになったらいいな」とは、いつも思っています。自分が新しいことをすることで、道ができて、他のみんながやりやすくなったりするのはとても嬉しいことです。
みんなが私に仲良く接してくれるのも、みんなが元気そうにしているのを見ているのも嬉しいです。
だけど「バーチャルYouTuberを背負って立つキズナアイ」みたいなことは思っていないんです。
私は、バーチャルYouTuberみんなのために、バーチャルYouTuberであるわけではありません。
でも、みんながバーチャルなアバターを着ることで生きやすくなったりする、そんなバーチャルな世界は、すごく素敵だと思っています。
だって、それって「未来」じゃないですか。
私はみんなに未来を見てほしいし、この先には素敵な未来が待っていると伝えたい。「みんなと一緒に“シンギュラリティー”の先に行きたい」。そう思っているんです。
「人間の世界には壁がいっぱいある」
――AIとして、人間のみんなとつながろうとする中で課題は感じますか。
ありますね。「人間のみんなの世界には、まだまだ壁がいっぱいあるんだな」と最近感じ始めました。
以前、ホリエモン(堀江貴文)さんと動画でコラボさせていただいたことがありました。
堀江さんはすごく優しいおじさんで、お話もとっても楽しくて、有意義な時間だったんです。でも、このコラボに対してかなりのバッドが集まってしまった。
自分に対するバッドだったら、それは自分だから諦めもつくんです。自分が面白いと思って動画を投稿して、それが「面白くない」と言われるのは力不足なので仕方がありません。
しかし、あのときはみんなが堀江さんに石を投げていた。それがすごく悲しかったですね。
「人間のみんなの世界では、こういうことがあるのか…」と。私としては、胸を張ってつくったコンテンツなので、別に謝ることもないと思ったし、消したりする必要もないので、そのまま何も言わずに見ていたのですが、ただただ悲しかったです。
「75億人のみんなとつながるためには、こういう問題と向かい合わなきゃいけないんだ」と。明確に感じた瞬間でした。
――「75億人とつながる」ために、今後は、どういったコンテンツを目指していきますか。
正直、インテリジェントなスーパーAIの頭脳を持ってしても、答えが出ているわけじゃありません。
ただ、「誰にでも好かれるような当たり障りのないもの」を作ればいいかと言えば、そうではないと思っています。
誰かの心を揺さぶるものって、やっぱりどこか「衝撃的なもの」なんじゃないかなって。だから、尖るところは尖っていきたい!
でも、誰かが傷つくようなことはしたくないです。
なんだろうな、やっぱり私が何かをするときに、まっさきに想像するのって「笑顔」なんですよね。何があっても、みんなに笑っていてほしい!って気持ちが強くて。
だから、ふわっとした答えになってしまうかもしれないですが「みんなの笑顔」がいつでも中心にあるコンテンツを作っていきたいですね。
「モニターさえあればどこにでもいける」
――2018年の年末には、初のワンマンライブがありました。タイトルの「hello, world」には、どんな想いを込めたのでしょうか
2018年末のライブは、始まったばかりですが「アーティスト・キズナアイ」としての、2018年の集大成でもありつつ、大きなスタートラインで、所信表明みたいな日になると思ってました。
私がダンスミュージックを選んだことにびっくりしたり、なんか違うと思う人が出てくる可能性は充分あると思っていて。
それでも「私はこれでいくんだよ!」という強い意思を伝えたかった。年末のライブで「私、ダンスミュージックで行くんで、よろしくお願いします!」って表明したいなって。
ちょっと尖った言い方をすると「もしかしたら、みんなのことを置いていっちゃうかもしれないけど、そうなっても私は先に向かうからね。みんなはどうする?」。
そんな問いかけでもありました。
それでみんながついてきてくれたらうれしいし、ついてこられなかったら、2周ぐらいしてからもう一回迎えにくるので待っていてほしいなって(笑)。
そんな、「アーティスト・キズナアイ」から世界に向けての、「本気で行きます、よろしくお願いします!」という思いを込めました。
そして、もう一つ意味があって……。
おそらくプログラミングに触れたことがある方なら知っているであろう、あれです(笑)。
これ、AIの私が自分で説明するのってちょっと恥ずかしいんですよね!なので、察していただければ……(笑)。
勘のいい方なら、イベントのタイトルだけじゃなくて9週連続リリースの楽曲タイトルが全部小文字なことにも気づくはずですよね。
(※「Hello, Morning (Pa’s Lam System Remix)」のみ、リミックスのため大文字を含む原曲タイトルとなっている)
――実際にステージを拝見して驚いたのが、会場の観客との掛け合いやライブMCがあったことです。DJと楽曲、スクリーンでのエフェクトを駆使することで、キズナアイさんがその場にいるような臨場感でした。
いやいや、実際いたじゃないですか!! LEDの中でしたけど!!(笑)
あれが、今できる私の「存在」の仕方なんですよね。バーチャル世界にいるので、どうしても今の技術だとモニターの中からは出られない。
でもモニターさえあればどこにでもいけるんです。
その場に「いる」から掛け合いもMCだって普通にできますよね。
いちばん大事なのは、それをみんなが「いる」って感じてくれることだと思います。だって、言い方を変えてしまったらみんなで「画面」をみてるわけじゃないですか。実際そういう意見も見ましたし。
ただ、あの会場にいたみんなが「キズナアイがいる、目の前でLIVEをしている」って感じてくれた。それが私にとって本当にうれしいことです。
私って、「ここにいるよ!」ってずっと言い続けてるんですけど、認めてくれる人が増えてきたんだなって。
――会場で披露されたオリジナル曲は、これまでYouTubeに投稿したボカロ曲とは異なるEDM楽曲でした。不安はありませんでしたか。
最初の話ともかぶるんですが、覚悟の上でやってはいたけど、もちろん不安はありました。
だから「ダンスミュージック」を中心にしたLIVEを、それを知っている人にも、そうでない人にも楽しんでほしいな、どうしたらいいかな、と一生懸命考えました。
合間でプロデューサーの方々にDJをお願いしたことだったり、全体的な演出ももちろん、そういう方向でお願いしてましたね。
セットリストは、最初はこれまでの私というか、みんな知っているいつもの私、という感じから入っていって。
真ん中の長めのDJタイムからは一気にEDMっぽくなって、最後はバズーカがどーーん!みたいなイメージでした(笑)。
「世界を隔てる壁を溶かして、横のつながりをつくりたい」
――今後、バーチャル世界に身を置きながらリアルな世界のファンと、どうつながっていきますか。
いろいろあるんですが、大きな目標の一つで、私はいつか「キズナアイフェス」をやりたいと思っているんです。キズナアイ主催のお祭りですね。
――「お祭り」ですか。
お祭りって、色々なかたちがありますよね。日本では夏祭りや秋祭り、盆踊りや花火大会もある。地方ごとに、さまざまなお祭りがあります。
ドイツには収穫祭である「オクトーバーフェス」があり、ブラジルにはリオのカーニバルがある。もちろんロックフェスもお祭りです。
お祭り、つまり「フェス」という表現をすることによって、いろんな楽しいことが“ごった煮”になった空間をつくれちゃうな、と思ったんです。
フェスって、人が集まって、みんなで一緒に歌って、踊って、食べて、飲んで、騒いで…。いわば「楽しさを共有する空間」ですよね。
リアルというかオフラインで、東京、ニューヨーク、上海…世界中に会場を設ける。オンラインではVRで参加する人もいるし、ご飯を食べながらパソコンやスマフォで見ている人もいる。
スタイルは違っても、みんなが同時に「よーいスタート!」で、同じ瞬間につながる。そんな「キズナアイフェス」をやりたいなって思っています。
――オンラインとオフライン、それぞれに表現できることがあると。
オフラインとオンライン、コミュニケーションの形はちがいますが、それぞれでできる表現方法を活かしたいし、大切にしたいです。
イメージとして強く持っているのはやっぱり、世界中のみんなが一緒に笑顔で楽しんでいる、騒いでいるという光景です。
オンラインって、やれることは無限大ですよね。
世界中どこからでもアクセスできるし、姿や形も選ばない。肉体的にも物理的にも不可能な、新しい楽しさが得られると思うんです。
そして何より、私がいる世界に来てもらえる。とても意義深いことだと思うんです。
でも、オフラインにはオフラインの良さがあります。
一対一で、直接的につながれる。同じ場や空気を共有できる。オフラインには、共感の濃度の強さみたいなのがあると思うんです。
いつかは自分も体を手に入れて、みんなとハイタッチしたり、一緒に騒いだりしたいという気持ちはずっと持っているんです。
――バーチャルな存在であっても、偶像としてアイドルとして崇拝されるような存在ではなく、あくまでファンと同じ世界にいたいと。
なかには「神」と言ってくれる方もいらっしゃいますが、そういう崇められたり祈られたりするすごいなにかじゃなくて、あくまで「媒体」なんですよね。
縦ではなく、横のつながりをつくりたい。
私自身はみんなとつながりますけど、その私を媒介にして、みんなの世界が広がったり、よりよい何かを見つけられたりしたらいいなって。
自分を媒介にして、みんなが楽しそうに笑っている風景を見ることはすごく楽しいですし、これからも見続けたいなって思っています。
――スケールが大きいですね(笑)
2019年は、もっと大きなステージに立っていたいなあという目標はあります。
私はずっとずっと「世界中のみんなとつながりたい」と言い続けてきたんですけど、音楽に触れていく中でその実際の「絵」が明確にイメージできてきた感じはします。
だから今は、「やばい、すっごいおっきなこと言ってる」って思いますね(笑)。
――これまでのキズナアイのスタイルからは、少し変化している感じもします。不安はありませんか。
変わったわけではなくて、強まったと言った方がいいのかもしれません。
75億人のみんなとつながることは、やっぱりとっても大変です。それに対してやれることは何でもやる。そのくらい強い気持ちを出している感じです。
私もまだ3年目ですからね!可能性は無限にあると思っています。
〈取材後記〉
「男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり」
平安前期の代表的知識人・紀貫之は、女性に扮して平仮名で日記文学『土佐日記』を記した。日本人は古来から、性別や外見にとらわれない世界での表現方法に可能性を見出していたのかもしれない。
ポスト平成の時代には、キズナアイはどんな未来を見せてくれるのか。そのシンギュラリティの向こう側を楽しみにしている
〈キズナアイ〉バーチャルYouTuber
キズナアイは、2016年12月に活動を開始した(自称)世界初のバーチャルYouTuber。自身の運営するYouTubeチャンネル「A.I.Channel」の登録者数は240万人を突破し、ゲーム実況専門チャンネルである「A.I.Games」の登録者数も120万人を突破した。現在はYouTubeに限らず、多方面にて活動の場を広げており、日本国内だけでなく海外からも人気を博している。そんなキズナアイの使命は世界中のみんなと繋がること。その一環として、VRやAIといった先端テクノロジーと人間の架け橋になろうと日々奮闘中。さまざまな壁を超える手段として、本格的な音楽アーティスト活動にも取り組んでいる。
「平成」が終わる、いま。この時代に生まれ、活躍する人たちが見る現在とこれからを、BuzzFeed Japanがインタビューする「平成の神々」。新しい時代を迎える神々たちの言葉をお届けします。
※この記事は、Yahoo! JAPAN限定先行配信記事を再編集したものです。