白シャツ集団の暴行に抗議、香港の民主派がデモ。警官隊は催涙ガスで鎮圧(画像)

    「雨傘運動」で中心的役割を担った黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏は、「親政府派のギャングと警察の違いは?」と憤りをつづった。

    香港では7月27日、中国本土に近い元朗地区(香港北西部)で民主派のデモ隊と警官隊が衝突した。

    市民らは民主派への暴行事件が発生した元朗地区でデモを計画。

    これに対し、香港警察は安全上の理由からデモを禁止した。

    一方、民主派の市民らはこの措置に反発して、デモ行進を決行。抗議の意を示したが、やがて警官隊と衝突した。

    警官隊は催涙ガスや警棒などで鎮圧を図った。

    CNNは保健当局からの情報として、15歳から60歳までの計23人が病院に搬送されたと伝えた。

    現地メディアによると、元朗地区でのデモには約29万人が参加した。背景には、民主派のデモ参加者らへの暴行事件があった。

    CNNは、元朗地区の駅で21日、デモ参加者が地元のマフィア「三合会」との関連が疑われる白シャツの集団に暴行されたと報じた。

    Yet another pic from tonight's thuggish attack in Yuen Long. Anybody wearing black (the usual colour for #antiELAB protestors) was a prime target. #HongKongProtest #HongKong

    現地メディアは、仕事帰りの市民も襲撃されたと伝えている。

    Cook caught up in #HongKong #yuenlong station violence as he left work recalls ordeal https://t.co/aYOR1XNS6I via @scmpnews

    この暴行事件では、少なくとも45人が重軽傷を負ったが、親中派の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官や香港警察の対応に遅れがあったとして、市民が反発していた。

    昨日、香港の元朗で、白シャツを着た反社会的勢力の一団が、ショッピングモールや地下鉄の駅、そして車内でまで無差別に市民を襲いました。しかし香港警察は彼らを放置し、身元や持ち物を調べることも、阻止することも逮捕することもしませんでした。 ↓

    民主派のレイ・チャン議員は「親政府派が元朗駅の乗客を襲っている」「香港は人口1人当たりの警官が世界で最も多い場所の一つだ。香港警察はどこにいるんだ?」と警察を批判した。

    Snippet of a live broadcast from lawmaker Lam Cheuk ting, showing self-professed pro-Gov't mobsters attacking passengers in train cars at #MTR #YuenLong Stn. #HongKong has 1 of the world's highest cop to population ratio. Where were @hkpoliceforce? Lam was injured as shown live.

    AFPなどによると、元朗地区は中国本土に近いことから、密輸や密航を生業とするマフィアや、親中派の組織が強い影響力を持っているという。

    SNSでは、21日の暴行事件と27日の警察によるデモ鎮圧を比較する画像が拡散。「もはや違いがわからない」と揶揄する投稿もあった。

    Spot the differences~ #HongKong police or triad, I can’t distinguish anymore. @appledaily_hk https://t.co/cLQOeNdSDF

    2014年、民主派の大規模デモ「雨傘運動」で中心的役割を担った黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏は、「親政府派のギャングと警察の違いは?」と憤りをつづった。

    Last week, Pro-Beijing Gangster attack ordinary citizen at #YuenLong station. Now, police beaten HK peaceful residents at #YuenLong station. So, what’s th different between Pro-Beijing Gangs and police?

    香港では6月以降、中国本土へ犯罪容疑者の引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」の改正をめぐり、民主派の市民と警官隊の衝突が続いている。

    香港政府は条例改正案について、事実上の廃案になるとの見通しを示している。

    しかし、行政長官が「逃亡犯条例」改正案の即時撤回に触れず、辞任を否定したことから民主派は反発。

    香港では28日もデモが予定され、なおも緊張が続いている。