特別背任などの罪で起訴されている日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告(64)が、早ければ3月6日中に保釈される見通しだ。
ゴーン被告の勾留期間は6日で108日目を迎えた。弁護側は先週、3回目となる保釈を申請し、認められた。検察側は準抗告したが、東京地裁は棄却した。保釈保証金は10億円。
保釈保証金とは?
保釈保証金は、保釈された被告人の逃亡を防ぎ、裁判や刑の執行のために出頭を確保するために裁判所に納める金銭。逃亡するなどした場合に没収される。
刑事訴訟法では「犯罪の性質および情状、証拠の証明力並びに被告人の性格及び資産を考慮して、被告人の出頭を保証するに足りる相当な金額でなければならない」とされている。
過去最高額は食肉卸「ハンナン」グループの牛肉偽装事件の浅田満元会長で20億円。ロッキード事件の田中角栄元首相は2億円だった。
ゴーン前会長とともに起訴された日産自動車の前代表取締役グレッグ・ケリー被告の保釈保証金は7000万円。
一方で、中日新聞などの報道によると、「住居は国内に限定」「住居の出入口に監視カメラを設置」「海外渡航禁止」「パスポートは弁護人が管理」「事件関係者との接触禁止」「携帯電話は連絡先を制限した端末を使用」「パソコンは弁護士事務所でのみ使用」などの条件が設定された。
逃亡や証拠隠滅を防ぐための措置だ。厳しい条件を付けてでも裁判所から保釈を勝ち取るために、弁護側が提案したという。
過去の高額保釈保証金
(敬称・呼称は略)
- 浅田満(牛肉偽装事件)20億円
- 末野謙一(住宅金融専門会社をめぐる資産隠し事件)15億円
- 篠田建市(山口組銃刀法違反事件)10億円
- 許永中(イトマン事件)6億円
- 村上世彰(村上ファンド事件)5億円