宮迫博之・田村亮「会見したらクビにすると言われた」と吉本側の圧力証言 “闇営業”の謝罪会見で

    事務所を通さず、特殊詐欺グループとされる反社会的勢力が催したパーティーに参加し、一定の金銭を受け取った“闇営業”をしていたとして吉本興業から契約を解除された宮迫博之さん、謹慎処分を受けた田村亮さんが7月20日午後、記者会見を開いた。

    事務所を通さず、特殊詐欺グループとされる反社会的勢力が催したパーティーに参加し、一定の金銭を受け取った“闇営業”をしていたとして吉本興業から契約を解除された宮迫博之さん、謹慎処分を受けた田村亮さんが7月20日午後、記者会見を開いた。

    2人は「虚偽の説明をしてしまい、詐欺被害に遭った方や嫌な気持ちになった全ての方々、本当に申し訳ございませんでした」と涙ながらに謝罪。一方で、吉本興業側から「謝罪会見を開いたら連帯責任で(関係者を)全員クビにする」と言われたと語り、会社への不信感があったことを吐露した。

    「全ての皆様にお詫びさせてください」

    宮迫さんと田村さんは、当初は金銭をもらっていないと主張していたが、後に“闇営業”の事実を認めている。記者会見は、そのことへの謝罪の言葉から始まった。


    宮迫:まず、今日、こういった会見の場所をこの機会を与えていただき、皆様にお集まりいただいたのは、何よりも詐欺の被害に合われた被害者の方々そのご家族、親族の方々に、とんでもない不快なつらい思いをさせてしまっていることを、お詫びさせてください。本当に申し訳ありませんでした。

    そして、世間の皆様、我々のことを応援してくださっている方々、とんでもない取り返しの付かないほどの迷惑をかけてしまっている関係者の方々、そして、不快に、不快な気持ちにさせてしまっている、全ての皆様にお詫びさせてください。本当に申し訳ありませんでした。

    田村:自分の口からも、ちゃんと謝罪を伝えたいと思います。詐欺被害に合われた方々、そしてその親族の方々友人の方々、本当に不快な気持ちにさせてしまい、嫌な気持ちにさせてしまい、本当に申し訳ございませんでした。

    僕の弱い部分のせいで、人として駄目な部分、そのせいで虚偽の説明をしてしまい、その行動言動によって不快な気持ち、不信感を抱かせて、嫌な気持ちになった全ての方々、本当に申し訳ございませんでした。

    宮迫:今回、このような大きな騒動にしてしまったのは、僕の保身からくる軽率な嘘から始まっています。そのせいで、後輩たちも巻き込んでしまいました。

    今回の騒動の全ての責任は僕にあります。僕のせいです。本当にすみませんでした。


    宮迫が語った「契約解消までの経緯」とは

    続いて宮迫さんと田村さんは、週刊誌に“闇営業”が報じられてから今日に至るまでの経緯について説明した。

    取材を受けて、口裏合わせを指示

    宮迫:まず僕がフライデーの直撃を受け、「反社会勢力のパーティーに参加しましたか」「出演者全員、100万円ずつギャラを受け取りましたか」と、そう聞かれました。

    その時、僕は、5年ほど前のことでしたので全く記憶がなく、写真を見せられ、自分がいることを確認し、行ったんだということがわかった上でも、はっきりと思い出せませんでした。

    その時僕が記者に言ったのは「全員が100万円もらえるような、そんな営業あるわけないよ。そんなんもらってないよ全員。反社会勢力なんて知り合いにおるわけない。なんなのこの記事は」と。

    そんな記事は掲載されるはずがないと、たかを括っていましたので、もうわからないから会社にってくれと、その場を離れました。マンションの自分の家に付く前に、入江(カラテカ入江慎也)からの紹介という文言を聞いていたので、入江くんに電話をかけました。

    最初、入江くんにそのことを言っても、入江くんも最初は思い出せなかったのですけど、こんなメンバーが写っていたと言うと、思い出したようで。

    僕はその時、入江くんが反社会勢力とつながっていたかどうか、そこだけが…。

    被害者の方々から奪い取った金を僕たちが受け取ってしまっていたという、とんでもない過ちのことを考えることもせず、付き合いだけがどうなのかということだけを確認しました。

    「そんなのはないです」「絶対やな」その時の僕は「じゃあ、こんな記事載るわけない」「じゃあ、大丈夫や」と電話を切り、その次の日にもう一度入江くんから電話があり、「お金のこと言わなくていいですか」と。

    当時の、その写真に写っているメンバーを見て、お車代程度やろうと。じゃあ大丈夫や おれはもらっていたのか もらっています、でも、その後、年末にいつも忘年会を開いていたので、そんなん俺受け取って、これで払っておいてくれとお前に言うたよなと、そこの部分だけはなんとなく覚えていたので。

    「そうです」と入江くんに言われて、勝手な、本当に自分の身勝手な解釈で、「じゃあ、自分はギャラはもらっていないんじゃないか」と。その他の人間はお車代程度だろうと思い込み「もらってないで、いいんと違うか」と入江くんに言ってしまいました。

    そして他のメンバーにも、もらってないということで言っておいてくれと入江くんに指示を出しました。会社にもそういってくれと、指示を出しました。

    それから2日が経ち、入江くんから電話があり、解雇されたといふうに聞きました。

    「こんなことで解雇になるんだ」と、まだ僕は事の重大さに気付いていませんでした。詐欺の被害者がいるということを気付けませんでした。

    会社に電話して「なぜこんなことで解雇になるんだ」と詰め寄ってりもしました。自分が悪いのに。

    世間の反応が大きく、怖くなった

    その後、さらに3日後「フライデー」が発売され、結局載ってしまったんだと。

    自分の反応を遥かに超えて、世間の反応が大きく、怖くなってしまいました。その次の日に、亮くんから電話があり「お金のこと言いましょう」と。

    それでもまだ僕は、「打ち上げ代を出してもらっていただけだ」と、自分の中で思い込みたいという保身があったと思います。

    亮くんはいくらもらったんだと聞いたら50万、俺はいくらもらったんだと聞いたら100万円だと。

    それでもまだ「打ち上げ代のお金をそれで払っただけやろ」と思っていました。

    「それでも、宮迫さんはそのお釣りを受けとっていました」と。それはもう、会社に言わなきゃあかんとなり、その足で(田村さんと)2人で会社に行きました。

    吉本からは「静観でいきましょう」と言われた

    宮迫:そして、(レイザーラモン)HG、ガリットチュウ福島君と合流し、吉本興業社員2人、吉本興業の弁護士さん2人、計8人で。それが6月8日のことです。

    金をもらったと会社が発表するのは、その後に(6月)24日です。

    8日から24日と、間が空いています。それは僕たちがその時に、社員、弁護士、いくらもらったのか全て言いました。

    「いまさらひっくり返せませんよ」と。僕もそれは思ってしまいました。どれだけの騒動になるのか、どれだけ迷惑をかけてしまうのか。怖くてたまりませんでした。

    それで8日から、「ずっと静観でいきましょう」と言われました。それに、僕たちも納得してしまいました。

    でもその後、1日、2日と経っていくうちに、世の中は更に大きな問題になっていきました。

    その中で、「詐欺被害者から奪い取られた金を受け取っているんじゃないか」という報道をたくさん目にして、情けなく、申し訳なく自分のことは許せなくなり。

    何度か吉本の社員に「大丈夫か。会見を開いて、言ったたほうがいいのではないか」。「いえ、会社としては静観です」と言われました。

    「記者会見したら全員クビにすると言われた」

    宮迫:そして24日、急遽会社に全員が呼ばれました。その時に「全員謹慎です」と告げられました。もちろん僕は、僕自身は当然、謹慎をするのは当然だと思いました。でも、僕と後輩たちの罪は、まるで違います。

    その時に亮くんが、「記者会見をやらせてください。全部自分たちの口から金額、経緯、事実を伝えさせてください」と声を上げてくれました。

    「だめだ」と言われました。「記者会見はさせるつもりはない」と断言されました。亮くんは「辞めてでも、僕一人でも会見をさせてくれ」と声を上げてくれました。

    その時、吉本興業・岡本(昭彦)社長が、そこにいた弁護士、社員、全て外へ出ろと、僕たちと岡本社長5人だけになりました。

    まず最初に岡本社長がおっしゃったのは、「お前ら、テープ回してないやろな」と言われました。

    「回していません。そんなことする訳ありません」。「亮、ええよ。お前辞めて、一人で会見したらええわ。やってもええけど、ほんなら、全員連帯責任でクビにするからな」と言われました。

    「それでもええんなら記者会見やれ」と。「俺にはお前ら全員クビにする力があるんだ」と。そう言われて、全員何も言えなくなりました。それが6月24日です。

    「引退はさせない。謝罪会見はさせてやる」

    宮迫:その後に、謹慎期間に入ります。その間も、ワイドショー、色々な報道番組で先輩、後輩、仲間たちが、つらい思いをしながら、僕たちに対するコメントを本当に、本当に言いづらかったと思います。本当に申し訳ないです。

    それを見ていて、やはりだめだと。もう一度会社に「引退してでも記者会見をやらしてくれ」と、何度も連絡しました。

    それが、7月7日、僕のマンションまで、吉本興業の…名前は言いません、一人が来ました。「引退するなんて言わないでください。話をしましょう」と。

    そして7月8日に、僕と亮くんが(会社に)行き、そこで初めて「僕が全責任を負い、引退するんで、引退会見でもいいので、謝罪をさせてくれ」と岡本社長に嘆願しました。

    「引退はさせない。させるわけにはいかない」。そうおっしゃり、「わかった。謝罪会見はさせてやる。そのかわり期間はこちらが決める。それがいつになるかは明言できない」。

    でも、僕たちは「今すぐにでも会見をやらせてください」とお願いしました。「それはできない期限はこっちで決める」。うやむやにされるのではないか、不信感があった。

    うやむやにされるのではないか 吉本への不信感

    僕は何度も言いました。「会社のためにも今すぐやるべきです」と。「期限はこっちで決める」の一点張りでした。

    そしてその時、「僕とみんなでは罪が違うので、謹慎期間を短くして」。お金をそんなに儲けていない子達もいましたので、家族もいましたので「それはわかった」と言ってもらえました。

    その後、亮くんと話して、おそらくあの空気感、あの感じ、ひと月ふた月引き伸ばされて、結果うやむやにされるのではないか。させてもらえないのではないかと、不信感が拭いきれなかったので、僕たちは自分たちに弁護士をつけることを選択しました。

    そして弁護士を通じて、会話をし、そこからは話は進展し、期間もなんとなくではありますが、「近日中に」という方向性に向かっていました。

    それでも遅いです、遅すぎますが、ようやく会見にたどり着けるということで安堵していました。

    「引退会見と契約解除、どちらか選べ」

    宮迫:そして2日前、僕たちの弁護士さんのところに書面で「僕と亮くん二人の引退会見、二人との契約解除のどちらかを選んでください」という書面が突然送られてきました。

    意味がわかりませんでした。引退ということもなく、謝罪会見をさせてもらえるとおもっていた僕たちは、どうしていいのかわからなくなりました。

    でも、僕たちが弁護士をつけるという選択肢をしたことで、吉本興業サイドも構えてしまったのかもしれません。

    僕たちの思いとはあまりに違いすぎたので、岡本社長とお話がしたいという気持ちになりました。

    でも、弁護士さんをつけた時点で、しゃべることはできないということでしたので、申し訳ないですが僕たちに付いていてくれた弁護士さんに一旦解除していただき、僕と亮くんは本社に行きました。

    そして岡本社長と話をさせてくれと言いました。部屋に通されました。来たのは、弁護士さん2人だけでした。

    そして「二人の引退会見もしくは、それを拒むなら二人の契約解消、このどちらかの決定は揺るぎません」と。

    「待ってください。僕は、岡本社長と話をしたいです。僕たちの思いと違います」(と伝えたら)、「それはできません」と断られました。。

    「なら、わかりました。僕一人の引退会見、それで全責任を背負って…。やらしてください」と。(吉本側弁護士は)「言うだけ言っておきます」と。そう言われました。

    それで、(吉本側弁護士から)「記者会見をやるなら、明日の12時」。急に、明日の12時に引退会見…。もう、どうしていいかわからず。

    (吉本側から)「2時間後から、こちらで考えているQ&Aを練習してもらいます。引退会見をするなら、2時間後に戻ってきてください」と言われました。

    そして会社を出て、亮くんと話し、そこで会社主導の引退会見、当初僕らがお願いしていた生放送というのも叶わず、そうなるぐらいなら、会社を辞めて、自分たちでという判断になり、今日に至っております。


    宮迫さん「反社会勢力とのつながりはない」

    宮迫さんをめぐっては、19日発売の週刊誌「フライデー」に金塊強奪事件の犯人とされる人物との写真が掲載された。

    金銭の授受があったとも報じられたが、宮迫さんは「北新地のキャバクラに中学の同級生と行ったが、トイレから出てきたところを囲まれて撮っただけの写真。お金の授受なんてまったくない」と、反社会勢力とのつながりを否定した。