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フィフィさん、蓮舫議員が「改正児童虐待防止法に反対」と誤りをツイート→謝罪し削除

フィフィさんのツイートには事実誤認が2つある。

タレントのフィフィさんが立憲民主党の蓮舫参院議員について、2004(平成16)年に「児童虐待防止法改正に反対した」と投稿し、拡散した。だが、このツイート内容は事実誤認だ。フィフィさんは謝罪し、当該ツイートを削除した。

何があったのか?


私は問いたい、なぜ平成16年の警察の積極的介入を盛り込んだ児童虐待防止法改正に反対した蓮舫議員が、今回の虐待死の件で現政権を責めることが出来るのか、私はその真意を問いたい。あなたは本当に国民の側に向いているのですか?それ以前に同じ親の立場として問いたい、なぜあの時反対したのですか?
(2019年2月17日 フィフィさんのTwitter[@FIFI_Egypt]より)

フィフィさんはツイートの中で、立憲民主党の蓮舫参院議員が平成16年(2004年)に「児童虐待防止法改正に反対した」として批判した。

千葉県野田市の小4女児が自宅浴室で死亡し、傷害容疑で両親が逮捕された事件に関する一連の投稿の中でのツイートだった。

フィフィさんのツイートには事実誤認が2つある。

<1点目:蓮舫氏が国会議員に当選したのは、児童虐待防止法の改正後>

蓮舫氏が参院議員に初当選したのは2004年7月の第20回参院議員選挙だ。

同年、改正児童虐待防止法(児童虐待の防止等に関する法律の一部を改正する法律)が成立している(衆院では3月12日、参院では4月8日に可決)。

つまり蓮舫参院議員は、改正児童虐待防止法が成立した時点では国会議員ではなかった。

<2点目:改正児童虐待防止法に反対した議員はいない>

まず、2004年の改正内容を抑えておきたい。

改正前は、虐待の当事者を「保護者」に限っていたが、改正後は同居人も含め、児童の目前での夫婦間暴力も新たに虐待行為に加えられた。

また児童相談所などへ通告する義務についても、「虐待を受けた児童を発見した人」に限らず、「虐待を受けたと思われる児童を発見した人」に広げられた。

こうした内容は、2003年に超党派で中間合意した内容に沿ってつくられたものだ。その結果、改正児童虐待防止法は衆参ともに全会一致で可決、成立した。つまり、法案に反対した国会議員はいない。

日刊スポーツ、朝日新聞などが紹介

フィフィさんのツイートは、2月18日午後3時現在で1万7000以上リツートされTwitter上で拡散された。

まとめサイト「Share News Japan」はTwitter上で、フィフィ氏のツイート内容を配信。18日午後3時25分現在で7800以上もリツートされている。

さらには、日刊スポーツも「フィフィ、蓮舫氏に児童虐待防止問題『真意を問いたい』」というタイトルで、フィフィ氏が蓮舫氏を批判したと紹介。ただ、事実確認に関する指摘はしていなかった。記事は18日午後3時28分現在、削除されている。

日刊スポーツの記事は、グループ会社の朝日新聞社のサイト「朝日新聞デジタル」内の「&(アンド)、&M」にも転載された(記事は現在削除)。

また、スポーツ報知も「フィフィ、虐待死問題で蓮舫議員へ怒りの質問『あなたは本当に国民の側に向いているのですか?』」と題した記事でフィフィさんのツイートを紹介した。

ところが、スポーツ報知は後に記事タイトルを「フィフィ、虐待死問題で蓮舫議員へ怒りの質問も『事実誤認?』の指摘」と変更。「一部フォロワーからは事実誤認ではないか?との指摘が出ている」と付け加えて、記事を更新した。だが、記事内容の訂正文言やお詫びはサイト上では確認できていない。

蓮舫氏は「誤解が流布されているようです」とTwitterに投稿し、フィフィさんのツイート内容を否定。「大手メディアもファクトチェックをせずに記事を配信しているようで…、残念です」と苦言を呈した

フィフィさんはその後、立憲民主党から事実誤認の連絡を受けたとしてツイートを削除し、謝罪した。

しかし、その直後に「私の影響力ってw」とツイートした(このツイートも削除されている)。

なお、フィフィさんのフォロワーは42万人。Twitterの「認証マーク」もついている。

UPDATE

スポーツ報知が記事を削除したことを追記しました。

UPDATE

スポーツ報知に関する内容を追記しました。