85歳の誕生日を迎えられた天皇陛下。12月20日、恒例となっている誕生日前の記者会見では、感極まり、言葉を詰まらせる場面が何度もあった。
その一つが、皇后・美智子さまとの結婚生活を回顧された箇所だった。
皇后さまについて「心から労いたく思います」
会見では、天皇陛下が時折、言葉を詰まらせながら涙声で、これまでの結婚生活を回顧された。
「皇后は常に私と歩みを共にし、私の考えを理解し、私の立場と務めを支えてきてくれました」
その上で皇后さまが、皇太子さま・秋篠宮さま、黒田清子さんの3人のお子様を「愛情深く育てました」と述べられた。
さらに天皇陛下は、皇后さまについて「深い信頼」を寄せていると言及された。
「私は成年皇族として人生の旅を歩み始めて程なく、現在の皇后と出会い、深い信頼の下、同伴を求め、爾来(じらい)この伴侶と共に、これまでの旅を続けてきました」
そして、自らが「天皇としての旅を終えようとしている」と表現した上で、美智子さまへのお気持ちを以下のように述べられた。
「私はこれまで、象徴としての私の立場を受け入れ、私を支え続けてくれた多くの国民に衷心より感謝するとともに、自らも国民の一人であった皇后が、私の人生の旅に加わり、60年という長い年月、皇室と国民の双方への献身を、真心を持って果たしてきたことを、心から労いたく思います」
2019年4月にはご成婚60周年を迎える
天皇、皇后両陛下は、2019年4月末の退位直前にご成婚60周年を迎える。
お二人の出会いは1957年8月、長野県軽井沢のテニスコートだった。この「テニスコートの恋」から、お二人の運命は始まった。
ご成婚は1959年4月。パレードでは、50万人を超える人々が沿道を埋め尽くした。
皇族や元貴族ではなく、平民から「お妃」となった美智子さま。国民は「ミッチー・ブーム」に大いに沸いた。皇太子ご夫妻のご成婚に、戦後の日本人は新しい皇室の姿を見た。
およそ60年の長きに渡り、お二人は同じ道をともに歩まれてきた。
2018年12月23日、平成最後の天皇誕生日。この日をもって「平成」も残すところ128日となった。