2017年、テレ東深夜でひっそり放送され、大きな話題を呼んだ「ハードボイルドグルメリポート」。
世界中の「ヤバいやつらのヤバい飯」というコンセプトで、現地の人々の生活や食事に密着。
登場するのは、台湾マフィア、アメリカのギャング、ヨーロッパを目指す不法移民など。観光旅行では絶対出会わない人たちだ……。
2018年には第2弾、第3弾が放送され、その度にじわじわファンを増やしていたこのシリーズ。このほどNetflixとAmazonプライムビデオとHuluで全話配信スタートしました!やったー!!!
各放送回の内容は以下の通り。
1.リベリア共和国 元人食い少年兵の晩御飯、台湾 マフィアの贅沢中華
2.アメリカ 極悪ギャング飯
3.ロシア 麻薬密売アパート&カルト教団飯
4.セルビア 中東からヨーロッパを目指す“足止め難民”飯
5.アメリカ 出所飯、ネパール “火葬一家”の飯
それぞれ約30分です。BuzzFeedでは以前、制作秘話もたっぷり聞いていますので、視聴後にぜひお読みください。
続編、ないですか?
最新第3弾の放送から約1年。そろそろ新作も気になるところですがどうでしょうか……?
今回の配信について、プロデューサーの上出遼平さんに聞きました。
――このタイミングでネット配信!? とびっくりしました。テレ東の単発番組がNetflixやAmazonにあるのも新鮮です。
2017年の第1弾の放送直後から、Netflixさんが興味を持っているという噂は耳にしていました(笑)。正式に配信が決まったのはその1年半ほど後、第3弾(2018年7月)を放送した後ですね。
ありがたいことに日本のテレビ番組では珍しい世界配信。数カ国語分の字幕作成作業などで配信までに時間を要し、今になりました。
Netflixでの配信が始まった時ちょうどパリにいたんですが「本当に配信は始まっているのか?」と見てみたら「ハイパーハードボイルドグルメリポート」のロゴの文字がフランス語になっていて!
説明文を翻訳する、字幕をつけるなどは当たり前ですけど、ロゴを翻訳するなんて想像もしていませんでした。Netflixってすごいなと思いました。仕事が細かくて丁寧。
――2018年を代表する番組として多くの場所で言及されていました。特に印象的だった反響や感想、この人が見てくれてうれしかった、などあれば教えてください。
本当にたくさんの人に見ていただけて、よい感想も悪い感想も全部うれしかったです。
スナックで歌い狂ってる僕をじーっと見てる人がいるなぁと思ったら「ヤバい飯食ってる人ですよね?」って声をかけてもらったこともありました。比較的独特なビジュアルで得しました。
さまざまな分野の第一線のクリエイター、それもテレビ屋じゃない人たちが「面白い」と言ってくれたのは特にうれしかったですね。
『闇金ウシジマくん』の作者の真鍋昌平さんも、これまでの放送回すべてを見てくれたとおっしゃっていました。
『ウシジマくん』で人間の暗部と、その最深部で光り輝く何かをあぶり出す稀代の表現者がこの番組を面白いと言ってくれたのは、ひとえに取材を受けてくれた世界中の“ヤバい奴ら”が強烈な引力を持っているからですね。
そして、その素材の味を最大限に引き出しているのは、突き放したような編集と全体を貫くコンセプトなのだ……と酒の席で吹き散らかし、自画自賛に浸りました。
――そろそろ新作を期待してしまうのですが、ご予定はありますか?
実は先日アフリカのある国に行ってきました。他のディレクターも今、続々と世界中に旅立っています。
ただ、台本もロケハンもなく現場に突撃するので、何も撮れなければ次回作は当然白紙になります。
……具体的なことは数日以内に発表できると思います。どうか、ご期待いただければ幸いです!