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参院選で、女性の当選者が過去最多に。増やしたのはどこの党?

女性候補者の割合が過去最高だった今回の参院選。当選者も過去最多タイで並びました。そこには理由がありました。

7月21日に投開票された参院選で、女性の当選者は28人となり、前回2016年の参院選と並んで過去最多の人数となった。

候補者のうち女性は104人で、女性の割合は過去最高の28%だった。当選者の女性割合は22.6%となった。

NHKの開票速報などを参考に図解すると、女性候補を擁立していた主な政党の女性候補者数と当選者数は以下の通り。

女性候補のうち当選したのは?

政党別にみると、当選者は、自民党10人(候補者12人)、立憲民主党6人(19人)、共産党3人(22人)、公明党2人(2人)、国民民主党1人(10人)、日本維新の会1人(7人)、れいわ新選組1人(2人)、社民党0人(5人)だった。

自民党は、12人の女性候補のうち10人が当選。森雅子さん(福島)、丸川珠代さん(東京)、太田房江さん(大阪)、比例区の有村治子さん、橋本聖子さんら、現職の女性議員の再選が目立った。

19人の女性候補を擁立した立憲民主党では、石垣のりこさん(宮城)、塩村文夏さん(東京)ら新人を含む6人が当選した。

無所属では、野党統一候補の打越さく良さん(新潟)、嘉田由紀子さん(滋賀)ら4人の女性が当選した。

女性がどのようにして増えたか

2018年5月、政治分野における男女共同参画の推進に関する法律が成立してから初めての国政選挙で、女性の候補者、当選者が増えるかどうか注目が集まっていた。

この法律では、国や地方の選挙で「男女の候補者数をできる限り均等」にするように政党に努力を求めている。各政党に女性候補を擁立するよう努力義務を課すもので、法的な拘束力はない。

上智大学の三浦まり教授(国際政治学)は、「女性当選者の人数は前回と同じ過去最多の28人ですが、内訳には変化が見られました」とBuzzFeed Newsの取材に話す。

「与党が前回よりも女性候補者を減らす一方で、野党が女性候補を男女均等に近い形で積極的に擁立しました」

「躍進したのは一人区における野党統一候補。当選した10人は男女半々でした。女性候補者が支持されている傾向はうかがえました。これを教訓として、各党が次の衆議院議員選挙で、女性をさらに擁立することを期待したいです」

当選者のうち男女の割合は?

また、政党別の女性当選者の割合は、自民党17.5%、立憲民主党35.2%、共産党42.9%、国民民主党16.7%、日本維新の会10%、公明党14.3%、れいわ新選組50%となった。

当選者の人数にもよるが、今回の改選に限っては、自民党と国民民主党、公明党が2割近く、立憲民主党は3割超、共産党が4割超の女性割合となっている。

ほかの国と比べると?

列国議会同盟の調査によると、日本の女性議員の割合は衆議院で10.2%、参議院でも20.7%。

2018年の各国の議会(下院、日本は衆議院)における女性議員の割合は、日本は193カ国中165位で、前年より順位を7つ下げた。主要7カ国(G7)と20カ国・地域(G20)の中ではいずれも最下位だった。

世界経済フォーラムが発表している「ジェンダーギャップ指数」では、日本は2018年、149カ国中110位となった。政治分野と経済分野での女性の進出が遅れていることが、スコアを下げているとみられている。