私が男性になったとき、保育園からの幼なじみの反応は

田舎は近所づきあいが深くプライベートに介入されたり、「女の子なんだから地元で就職したら」といったジェンダー・バイアスのかかった発言が悪気なく発せられたりすることもあります。

地方で暮らすLGBT当事者は、生きづらさを感じていないでしょうか？

石川県出身で、地方のLGBT当事者として、YouTubeで情報発信しているユニット「がんこちゃん」の、かおるさんとこねさんに聞いてみました。

かおるさん（22）は性自認が男性のトランスジェンダー。2年間の東京生活を経て、金沢に戻りました。

地元は高齢者が多く、小学校は1クラス。保育園から中学校まで、ずっと同じ友達と進学してきました。

「性別適合手術を受けようとするときに、専門の病院を探すのが大変でした。悩んでいるのは自分だけなのではないかという不安もありました」

カミングアウトをしてうれしかったのは、友達に「かおるちゃん」から「かおるくん」と呼んでもらったとき。そして「母親がバレンタインにチョコレートを買ってきてくれたとき」だそうです。

今は神奈川県に住んでいるこねさん（22）は、高校3年生のときに性自認を規定しないXジェンダーだと気づいたそうです。

住んでいたのは、徒歩1分でコンビニに行けるような「わりと栄えた地域」。

「中学生のとき、制服を選べなくてスカートを履くしかなかったのが嫌でした」

最初は中学2年生のころにまず性自認が男性ではないかと感じ、SNSでもオープンにして、自分のことをなんでも話せる場所を増やしてきました。

「地元に帰ったときにも、恋愛の話を気兼ねなくできる。自分のままでいられる友達といるときは居心地がいいです」

「人目が気になることが多いです。カミングアウトできていない人たちに会ったらどうしようと思って、堂々とトイレには入れないかも。顔を隠して入ったりしていました（かおるさん）」

「中学生くらいのときは、彼女とデートをしたときに人目を気にして、男女どちらに見られるのか気になっていました（こねさん）」

「保育園から知っている友達とか、びっくりされたり態度を変えられたりすることはなかったので、地方に住んでいてよかったなって感じています（かおるさん）」

「特に驚きもなく、すんなりと受け入れてくれる友達が多かったです（こねさん）」

「地方のように誰かに見られてるんじゃないかなっていう心配はないので、どこに行くにしても、好きなように、好きな格好をして、好きな人と歩いて、自由にできる！（かおるさん）」

「地元を離れたからというより、高校から大学という、縛られたところから自由になったという感覚がありました（こねさん）」